2010/03/02

Pandora情報更新 #03/01

今週のPandora情報更新。何かきな臭い話題が出てますね。テキサスの工場で組み立て予定だったPandoraですが、急遽イギリスで組み立てる事になりそう? しかもCraig氏をはじめとする主なPandoraチームが中心となって……。何…だと…? 

詳細はまだわかりませんがテキサスの工場でpopulation(MBに各種部品を組み込む事?)と完成品として組み立てる事までが当初の予定だったらしいのですが、工場側と値段の交渉が折り合わずに? 最終手段として自分達でpopulation後の組み立てだけはする事になったのかな?

工場側としては10万台規模での取引を前提としての価格を提示してきた? ので、今のところ4000台しか作らないPandoraチームとしては、1台に付き、組み立て代だけで100ドル程度のコストが掛かってしまうらしい……。こんなのは最初の段階で文書化しとかないと駄目な気がしますけど……。英訳が間違っているのかもしれませんが。

まぁ愚痴を言っても仕方がない。実際にそんなコストはかけられない訳で、それならイギリスに持ってきて、俺達だけで組み立ててやるわいという話になったらしい。Craig氏の話によれば、populationだけは工場に頼まないと出来ない工程だけど組み立てだけなら既に何台も自分達でやっているから大丈夫らしい。まぁ確かにEd氏がだいぶ前に組み立てのビデオを公開とかしてましたからね。まぁ詳細が分かり次第、続きを書こうかと思っています。

ちなみに組み立て作業に参加したいイギリス在住の暇人はいつでもウェルカムだそうです。皆で集まってCraigに愚痴言いながら組み立てしましょうとのこと。もしかしたら組み立て作業をインターネットで中継してネタにするかもとEd氏が言ってました。ちなみに組み立て作業は8時間くらいやるそうです……。終わったら飲みに行くそうなので、飲み代くらいはおごってくれるかもしれませんね。

#YouTube
昔、Ed氏が組み立てした時のビデオ。
Assembling a Pandora Prototype Case - YouTube
http://youtu.be/B50Kh70AeE4

2010/02/28

Steamのベータ版

Steamクライアントのベータ版が公開されました。最近はあんまりOblivionやっていないのでSteamどころかWindows自体を使わなかったのですが、このベータ版はかなりの変更を加えているらしいのでちょっと使ってみました。

具体的に何が変わったのかというと、内部のHTMLレンダリングエンジンがIE(Trident)から、ChromeやSafariでお馴染みのWebkitへと変更になったようです。これはスゴい。噂によると近々、SteamがMac OS Xに対応するらしくその為にWindows依存を脱却する為の大工事らしいです。ただ現行のシステムよりも多少機能性が落ちているみたいですね。まぁこれは一時的なものだと思いますけど。
Now using a WebKit based rendering engine for the client and in-game overlay web browsing components (replacing Internet Explorer)
Linuxユーザーかつゲーマーな人達の間ではMac OS Xに対応するついでにLinuxにも対応してくれないかなぁという意見がチラホラ出てますね。確かに技術的に大きな課題であったIE依存という問題が解決された訳で対応へのハードルはかなり低くなった事は事実でしょう。まぁ現実的にはビジネスとして成り立つメドが立たない限り、無理でしょうけどね。

それにあくまでSteamクライアントのみが対応可能になりそうなだけで大半のWindowsゲームが依存しているDirectX問題を解決しない限り難しいでしょう。ただQuakeやDoomのようなid SoftwareのゲームはOpenGLにも対応しているので、ほぼ間違いなく対応出来るでしょうけど。というかSteamを介さない単体パッケージ版は既にLinuxに対応していますしね。後はValveのSource Engineも対応しようと思えばそう難しくないのではないかと言われていますし。

他にもOGRE等のクロスプラットフォームの3Dグラフィックスエンジンを使用しているゲームも可能性としてはありますね。確かTorchlightやZombie DriverなんかがOGREを使用していたと思います。まぁ3Dグラフィックスエンジンだけが対応していても他が対応していないんじゃ無理でしょうし、OpenGLに対応しているとはいってもDirectXと同程度の性能が引き出せるのかは別問題でしょうし。

というかLinuxでまともにOpenGL使えるのってNVIDIAのプロプライエタリドライバーくらいだからなぁ。まだまだ難しいかな。とはいっても、これは大きな一歩である事は間違いないでしょう。実はこの辺りについての妄想をだいぶ前から考えておりまして。また暇な時にでもチマチマと駄文を書いていこうかと思っています。

#外部リンク
A Brand New Steam
http://store.steampowered.com/uiupdate/

SteamがMac用ゲームを売る日が来るかも : Kotaku JAPAN
http://www.kotaku.jp/2010/02/steam_mac.html

WebKit - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Webkit

Trident - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Trident

OGRE - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/OGRE

OGRE – Open Source 3D Graphics Engine
http://www.ogre3d.org/

Torchlight - Runic Games
http://www.torchlightgame.com/

Zombie Driver
http://www.zombiedriver.com/age_gate.html

XGI Volari

Phoronixの記事を読んでいたらおもしろい事が書いてあったのでメモ。いきなりですがXGIという会社名を聞いたことがあるでしょうか? 私もあまり知らなかったのですが、この会社の前身は台湾の半導体メーカー「SiS」のグラフィック部門だそうです。SiSという会社もあまりメジャーじゃないですが、古参の自作野郎ならば、名前くらいは聞いたことがあると思います。何を隠そう、私が一番最初に自分のお金で買ったパソコンのMBを作っていた会社なのです。ちなみにエプソンダイレクトです。

WikipediaによるとXGIがSiSから独立したのが2003年。設立時にTrident Microsystemsのグラフィック部門を買収したと書いてあります。Tridentも低価格パソコンにはよく使われていた記憶があります。SiS自体も、「Xabre」というGPUシリーズを開発しており、値段の割にはなかなかだという事で多少は売れていた気がします。今思えば、ATI、NVIDIAという2大メーカーによる独占が始まるギリギリの時代だったのでしょうね。それはそれで寂しい気もします。ちなみに読み方は「セイバー」らしいです。私は「サーブル」だと思ってました……。

そんな感じで独立したXGIですが、タイトルにある通り「Volari」というGPUを出したりして何とか頑張っていたようですが、売上は低迷し、2006年には、あのATIに研究開発部門を買収されて、新規GPUの開発はストップしてしまったようです。これでジ・エンドかと誰もが思っていたのですが、最近になって、またコツコツと活動を始めていたようなのです。

ここからが本題。Phoronixの記事によると、このXGIが数年間活動していなかったLinux用のドライバーを開発し始めたらしいのです。しかもオープンソースとして。古い記事も併せて読んでみると、なんとなく背景が見えてきました。研究開発部門が買収された後、暫くしてから何故かIBMの社員がXGIのドライバーの開発を再開。

これはどうやらIBMのPowerPCサーバーの為の開発だったらしいです。そして暫くはIBMの社員が開発を続けていたようなのですが、その開発者がIBMを辞めた事から再び開発が中断。ちなみにその社員は現在インテルに入社してインテルのオープンソースドライバーを担当しているらしいです。これが2008年のお話。

そんな感じで、今度こそXGIも終了かと思われていた矢先、今年に入ってから急にXGIのドライバー開発が再開されたようなのです。しかも今度はXGI社員自らが担当しているらしい。何故なのかというとXGIのVolariがMarvellのARM用GPUとして採用されたからみたいです。具体的に言うと「OpenRD-Client」という製品とHPのシンクライアント「HP t5325 Thin Client」という製品らしい。

OpenRD-Clientというのは、どうやらMarvell自身が絡んでいるプロジェクトで、TIのBeagleBoardみたいな感じなのかもしれません。詳しく調べていないのでいい加減ですが。日本で言うと玄人思考の玄柴の兄弟分みたいな感じの製品ですかね。まぁCPU部分だけの話ですが。おもしろいのがXGIの社員のパッチがどうもおかしかったらしく、その原因がドライバーをウィンドウズ環境で製作したかららしいのです。

どうやら、あまり(というか全然?)Linuxの知識が無い人が担当しているらしいのですが、おそらくコスト的に詳しい人を雇える余裕が無いのではないかとフォーラムでは推測していました。これは別に馬鹿にしている訳ではなく、それだけ切羽詰まった状態で、今度のARM環境でのGPU売り込みに賭けているのだろうという話ですね。確かに今更x86環境ではあまり需要がありませんものね。特にAtom登場以降は……。

ARM環境にもPowerVRという強敵がいますがインテルと違いドライバーのオープン化はされておらず、その事がXGIにとっても差別化出来る要因だと考えているようです。確かに強力なGPUでも実際の使用で原因不明のクラッシュとかあったら使えませんからね。特に特殊用途の多い組み込み系だと安定性が重視されるでしょうし。3Dバリバリの機能が必ずしも必要とは限りませんし。

長くなりましたが、これを機にARM環境での自由なGPUドライバーを提供してくれる企業が1つでも増えてくれることは今後においても重要な出来事になるかもしれません。XGIが成功してくれれば、PowerVRを持つImaginationも前向きにOSSドライバーを考えてくれるかも知れませんし。

最後に「HP t5325 Thin Client」と、XGIが開発中の新しいGPU「Volari G6」のビデオ。Volari G6はH.264とMPEG2のハードウェアデコードが売りみたいですね。いつ出てくるのか未定らしいですけど……。何かG6の紹介ビデオはたどたどしい日本語で頑張っている感がスゴいですね。売れるといいですね。

#YouTube
HP t5325 Marvell powered Thin Client - YouTube
http://youtu.be/cYaL-F-a5wo



XGI G6のH.264デコーダーの性能 - YouTube
http://youtu.be/kzFTx_OgsoE



#外部リンク
[Phoronix] XGI Working On Big Linux Patch For Big Feature
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=ODAxMQ

XGI Technology Inc. - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/XGI_Technology_Inc.

Open-RD.org
http://www.open-rd.org/

HP t5325 Thin Client (discontinued) - HP
http://h10010.www1.hp.com/wwpc/us/en/sm/WF10a/12454-12454-321959-338927-3640405-4063703.html?jumpid=in_r2515_us/en/smb/psg/psc404redir-ot-xx-xx-/chev/

Ubuntu Weekly Topics:2009年5月22日号 OpenRDのリリース・DisplayLinkのUSB接続VGA・UWN#142|gihyo.jp … 技術評論社
http://gihyo.jp/admin/clip/01/ubuntu-topics/200905/22

2010/02/26

せんとさん……

予想通りMMDでせんとさん人気出てますね。ヨーデルさんもスゴいけど。個人的に気に入っているのがこの動画です。ネタ通り越してオシャレな雰囲気すら漂います。何という漢同士の戦い。何故か「出会い頭に戦闘開始」みたいなのが頭に浮かびました。確かバキの死刑囚編のエピソードだったかな? 街角でいきなりダンスバトル開始みたいな(笑)。

それにしても、このせんとさんモデルは魅力的ですね。しかもこのビデオはその魅力を存分に引き出している気がします。何かHxH(キメラアント編)に出てても違和感無さそう。かなりの念能力者ですね。ちょっとレイザーっぽいし。ちなみに女同士の戦いもあります。こちらがオリジナルだそうです。でも、せんとさんの方が好きかも……。

#追記
せんとさんは汚れ担当のネタキャラじゃなくて、寡黙でクソ真面目なイケメン路線で伸びていって欲しいと個人的には思いました。

#ニコニコ動画
【MikuMikuDance】Defen' ya self, bro!【例の二人】 ‐ ニコニコ動画(原宿)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9784490



【第3回MMD杯本選】Defen' ya self, sis! ‐ ニコニコ動画(原宿)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7935017

2010/02/24

Pandora情報更新 #02/23

今週のPandora情報更新。Mupen64plusのビデオプラグインを担当しているAdventus氏にもRev.3ケースPandoraが到着した模様。ちなみにオーストラリアだそうです。早速、ハードウェアのレビューとMupen64plusの動作デモを公開してくれました。ハードウェアの感想は他の開発者の人達とだいたい同じですね。

ケースそのものはかなりキッチリしてコントローラー全般も使い易い。ヒンジ部分は弱々しい印象だけどこれは元からなのか試作品ヒンジだからなのかは不明。バッテリーカバーは結構格好良い。キーマットはテカテカしているのが好き嫌い分かれるかも。個人的には好きではない。ただ押し心地はそう悪い訳ではない。見た目より少し重く感じるかも。

全体としては小さく感じる。サイズに占めるバッテリーの割合は半端無い。スタイラスを使ったスクリーンタッチは悪くない。総評としては悪くないんじゃないかな。勿論、任天堂やソニーといった大企業の製品と比べればチャチいのは確実だけど。っと、こんな感じでしょうか。

最後にオーバークロックについても触れていますが、この事でコミュニティが大荒れになっていますね。あんまり詳しく書くのもどうかとは思いますが、オーバークロック後の故障についてのやりとりで、あるメンバーに対してのCraig氏のキツい物言いに多数のフォーラムメンバーが反発しており、ついには某開発メンバーの一人がPandoraにおける全ての活動を降り、Pandoraのオーダーもキャンセルするとまで言い出す始末。

あまりに大荒れなので、見ていておもしろくない上に30頁くらいあるスレッドなので全部は見ていませんが、私個人の印象としては、Craig氏側に問題があるかもなぁと。まぁ双方大人なので数日の冷却期間があれば、また元通りになれると思いたいところです。とりあえず今日はそんなところかな。

#YouTube
Pandora running Mupen64plus + Ocarina of Time / Sin and Punishment - YouTube
http://youtu.be/ZC6kjczqz-s

2010/02/22

Takaoフォントのバグフィックス

Takaoフォントで行われた「一部のアプリケーションで半角幅の文字が全角幅で表示される」というバグの修正ですが、暇だったので自分の目で確認しました。ネットだとQtアプリで起こると書かれている人が多かったですが、GTK+以外のGUIツールキットだと駄目みたいですね。

BlenderとChromiumで確認しました。確かBlenderは「Ghost」とかいうGUIというか「GLUT」のリプレイスメント? で、ChromiumというかChromeはLinux版はGTK+? なんだけど、Pangoとかを使用していないから駄目なのかな? 何かFAQで以下のような説明がありました。これと関係しているのかな。
Q. Why doesn't Chromium integrate with fontconfig/GTK/Pango/X/etc. better?
A. Frequently, the answer is due to our sandbox (Windows-specific doc but the concepts apply to all platforms), which attempts to prevent web content from having any access to your system. Features that other browsers get for free often take extra implementation effort. See the answer to the topmost question on this page.
とりあえず以下が私の環境での改善点です。上がTakaoフォント、下がIPAフォントです。

#Picasa




#外部リンク
Linux Technical FAQ - The Chromium Projects
http://dev.chromium.org/developers/linux-technical-faq

linux: the views situation - Chromium-dev | Google グループ
http://groups.google.com/group/chromium-dev/browse_thread/thread/b89ab99a0c848b89?pli=1

Dev:Source/Architecture/Ghost Refactoring - BlenderWiki
http://wiki.blender.org/index.php/Dev:Source/Architecture/Ghost_Refactoring

Takaoフォント

少し遅れた話題ですが「Takaoフォント」というフォントがリリースされました。これはIPAフォントからの派生フォントで、主にバグフィックスに主眼を置いたフォントみたいです。バグフィックスもそうなんですが、もっと大きな理由として、コミュニティ主導でのメンテナンスが可能な点が挙げられると思います。

今回の主な修正点である「一部のアプリケーションで半角幅の文字が全角幅で表示される」等はIPAフォントが新ライセンスで配布された直後に指摘されていた部分なのに、未だにIPAフォント自体のバグフィックスは行われていません。少し調べてみたら、IPAフォント側もこの件は把握していて、春頃にはバグフィックスが行われる予定らしいのですが、バグフィックス以外のプロセスで、どうしても時間が掛かるのが問題点なのかな。悪く言えばお役所仕事ですからね。手続きに時間が掛かってしまうのだと思います。

そういったボトルネックを防ぐ意味合いでも、今回の「Takaoフォント」は大きな意味があると思います。単純なバグなら、コミュニティの力で改善する事が可能になりますし、修正後のリリースも断然速く行えますからね。

そして、このまま行けばUbuntuでの正式な日本語フォントとして採用される見通しらしいので、次回のリリースからは本家のままでも、美しい日本語フォントを使用することが出来る訳です。素晴らしい。しかも、Ubuntuで採用されれば、他のディストリにも少なからず影響があるでしょうし。まだわかりませんが、いずれPandoraでも、このTakaoフォントが採用されるかもしれません。

Linuxでの日本語フォントというか、IPAフォントについては私も何度かブログで書いてきましたが、今回のTakaoフォントの試みが成功すれば、長らく続いてきたLinuxでの日本語フォント問題も一応の解決を見ることが出来ると思います。これは本当に大きな意味合いを持つと思います。金額的なものだけが問題では無いですが、商用レベルのフォントが4つも自由なライセンスで使用可能というのは、数千万、下手したら億レベルの価値がある事だと思います。関係者の皆様のご尽力に感謝致します。

#外部リンク
Takao Fonts in Launchpad
https://launchpad.net/takao-fonts

IPAフォントの派生フォント「Takaoフォント」リリース - SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載
http://sourceforge.jp/magazine/10/02/18/117208

IPAフォント - Wikipedia
IPAフォント - Wikipedia

日本語フォントの比較 - Wikipedia
日本語フォントの比較 - Wikipedia

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: Ubuntu-jaを試す
http://blog.minawa.net/2005/07/ubuntu-ja_4482.html

BLOG.MINAWA.NET: VLゴシック
http://blog.minawa.net/2006/09/vl_42.html

BLOG.MINAWA.NET: IPAフォント
http://blog.minawa.net/2006/10/ipa_8310.html

BLOG.MINAWA.NET: 最近の気になるニュースいろいろ
http://blog.minawa.net/2007/10/blog-post_8918.html

BLOG.MINAWA.NET: Ubuntu 8.10からIPAモナーフォントがデフォルトから外れる
http://blog.minawa.net/2008/09/ubuntu-810ipa_6725.html

BLOG.MINAWA.NET: IPAフォントのライセンス変更
http://blog.minawa.net/2009/04/ipa_1245.html

2010/02/19

Pandoraのベースシステムを予想する #10

タイトルには予想するなんて書いてありますが、もう予想じゃなくてまとめですね。流石にこれ以上大きな変化は無いでしょう。少なくともファーストバッチの発売前にはですが。前回からの変更点のみです。

#ディストリビューション
Angstrom #NAND

多分ですが、現段階で公式にサポートするディストリビューションはAngstromに一本化されそうです。まぁ有志の皆さん方が、Ubuntu、Gentoo等を非公式ながら公開するのは間違いないと思いますけど。もしかしたら、AndroidやMaemoなんかも取り組む人達が出てくるかもしれませんね。ただPandoraチームの規模から考えて、少なくとも最初期はAngstrom一本、それもNANDにインストールするイメージだけがサポート対象になると思います。

#DE/WM
Game Mode (Launcher) = Pmenu
SImple Mode (Launcher) = netbook-launcher
Desktop Mode (DE) = XFCE

大きく変化したのはこの部分ですね。PmenuとXFCEは以前から変化ありませんが、その中間的な意味合いでUbuntu Netbook Remixのランチャーである「netbook-launcher」が候補として上がっているようです。netbook-launcherの動作画面は先日紹介したので割愛します。

これは私が前々から言っていたようにメイン環境であるXFCEのUIがPandoraのような低解像度の携帯機には適していない事が要因だと思われます。マウスもない状態だとスタイラスで押していかないと使い物になりませんからね。でも出来れば指だけで動作出きるのが望ましい訳で。Pandoraに限れば各種コントローラーがあるので、そちらでも代用出来ますけど。以前噂していたE17のillumeモジュールの代わりかな。完全な代わりとはいかないですけど。

ちなみにこの「netbook-launcher」ですが、新版はGTK+じゃなくて、「enlightenment」の「EFL」らしい。UbuntuなのにGTK+じゃないなんて感慨深いですね。ちょっとしたニュースだと思います(笑)。まぁ大昔はGNOMEのWMだった事もあったのでそんなに不思議ではないのかもしれませんが。

いくつか記事を読んでみると、Ubuntuでの変更の理由はARM環境でのハードウェア支援が無かった事らしいですね。OpenGL ESですね。これ見ると、Pandoraでのnetbook-launcher採用はオイシイですね。Pandora側で開発しなくとも、これだけ綺麗でOpenGL ESの支援が効いたランチャーが手に入った訳ですから。しかも、これからまだまだ改良されていくでしょうし。FLOSS様々です。

enlightenmentのウェブサイト見ると、以下の企業からのフィードバックが生かされているみたいですね。
* 16 bit-per-pixel-optimized engine, contributed by INdT.
* SDL, contributed by Free.fr.
* DirectFB, contributed by ProFUSION.
* OpenGL-ES, contributed by Samsung.
以前書いたSamsungが入ってるし。日本企業も負けてられませんね。NetWalkerのシャープもガンバレ。サーバー関係だと日本企業もだいぶ貢献しているとは思いますけど。

#追記
3Dのハードウェア支援が受けられないデバイスの為の2Dランチャーみたいですね。失礼しました。

#外部リンク
EFL brings Ubuntu Netbook Remix to ARM
http://enlightenment.org/p.php?p=news/show&l=en&news_id=20

The New UI for ARM Based Ubuntu Devices at LinuxUK - Jamie Bennett Speaks
http://www.linuxuk.org/2010/02/the-new-ui-for-arm-based-ubuntu-devices/

[Phoronix] Enlightement Used On Ubuntu Netbook ARM
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=Nzk5Mw

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: Pandora情報更新 #08.12
http://blog.minawa.net/2009/08/pandora-0812_8800.html

BLOG.MINAWA.NET: Pandora情報更新 #08.20-02
http://blog.minawa.net/2009/08/pandora-0820-02_9787.html

BLOG.MINAWA.NET: Pandora情報更新 #08.23
http://blog.minawa.net/2009/08/pandora-0823_9275.html

BLOG.MINAWA.NET: Pandora情報更新 #11.19 その2
http://blog.minawa.net/2009/11/pandora-1119-2_612.html

2010/02/18

Pandora情報更新 #02/17

昨日の続き。いくつかビデオが公開されています。主に古い外国ゲーム機のエミュレーターデすね。日本人にはあまり馴染みが無いですけど。ちなみにPandoraにキーボードがついている理由は表向きには汎用性やデバッグのし易さ等ですが本当の理由はCraig氏が無類のAmiga野郎だからです。真相は闇の中ですけどね(笑)。

後はソフトウェアの進歩具合ですかね。細かいところはまだ未実装な部分が見受けられますが、肝心なドライバー類は一応完成しているみたいですね。無線LANやOpenGL ESのX環境での性能が悪いというのが気になりますが、一応動作するみたいなので、後は時間を掛けて修正されるのを待つしかないでしょうね。ちょっと量が多いので時間があったらまた書くかもしれません。

それとビデオの中で、第3のGUIとしてUbuntu Nebook Remixの「netbook-launcher」が導入されたみたいです。この辺りはまた後で書こうかと思います。後は以前書いたOMAP3のバッテリー管理ですが、Notaz氏がモニター出来るようにしてくれたようです。素晴らしい。おまけ機能として、警告や自動シャットアウトのオプションも選べるようにしてくれたようです。この部分はだいぶ複雑だったらしく、さしものNotaz氏もだいぶ苦労していましたからね。これで一安心です。とりあえずそんなところかな。

#Picasa
Notaz氏によるバッテリーモニター

#YouTube
Pandora umpc/console playing Xenon 2: Megablast on Hatari (ATari ST) emulator - YouTube
http://youtu.be/VmRLv9IhyTI



Pandora: PNDs, switching GUIs and Hatari - YouTube
http://youtu.be/OOtENx0QuZM



Pandora: Playing Amiga on an unoptimized UAE build - YouTube
http://youtu.be/RM2Z-N0_1_A



#外部リンク
Current Status
http://www.open-pandora.org/index.php?option=com_content&view=article&id=98&Itemid=13&lang=en

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: Pandora情報更新 #11.25 その2
http://blog.minawa.net/2009/11/pandora-1125-2_7979.html

2010/02/16

Pandora情報更新 #02/16-02

そういえば、またEngadget JapaneseでPandoraを取り上げてくれてましたね。毎度毎度ありがたい事です。重箱の隅をつつくみたいで恐縮なのですが、前々から気になっていた一文について訂正を。
そもそもはユーザーアプリの動作を許していた韓国製「オープン」ゲーム機 GP32 / GP2X のユーザーコミュニティーや開発者・英国の輸入業者が、自分たちで「魂の後継機」を作ろう(売ろう) と立ち上げたプロジェクトです。TIのBeagle Boardをベースとしているため開発基板での動作デモはかなり早い時期から公開されていましたが、反響に応えての メモリ・内蔵ストレージ増強、難航したケースの量産テスト、ボタン類の操作感調節など数々の問題を乗り越え、一般向けの予約開始から1年以上が経過してようやくの出荷開始となりました。
だいたい合っているのですが、「TIのBeagle Boardをベースとしているため」この部分は間違いです。PandoraとBeagle Board(以下、BB)は同じTIのSoC「OMAP 3530」を使用していますが基板レベルでは全くの別設計です。何故この様な事を書くのかというと以前フォーラムでこの事が話題になった事があったからです。

今からだいぶ前(半年以上前だったと思います)に、Pandoraの製作が遅々として進まずにいた頃、同じOMAP3530を使った「Touch Book」という製品が話題になりました。フォーラムでもTouch Bookの話題が起こり「同じSoCを使った上に、発表されたのも遅かったTouch Bookの方が何で早く発売されたんだ」「BBと言う見本がありながら、ここまで遅くなったのは開発者とりわけハードウェア担当のMWestonの力量不足が原因じゃないのか」といった発言をする人が出始めたのです。

そういった発言を受けて日頃は温厚なMWeston氏が珍しく反論しました。曰く「BBとPandoraは開発ベースが同じだという人がいるが、全くのデマです。BBは主にTI内の有志が開発した大学、独立開発者等向けの製品であり、Pandoraは同じ時期に私(MWeston)が一人で開発していたゲームコンソール向けの製品です。」BBとPandoraは発表された時期が近いだけであってベースはまったくの別物だと言う事らしいです。

またPandoraより発表が遅かったTouch Bookの方が製品化が早かった点ですが、このTouch BookこそがBBの基板を元に設計された製品であり、基本的な開発が済んでいた事で開発のスピードが速い上にゲームコンソール用にデザインされているPandoraに比べてノートパソコン的なデザインであるTouch Bookは小型化がPandoraよりシビアじゃない事も関係しているとの話でした。

確かにPandoraはTouch Bookよりもサイズが小さいですし、ゲームコントロール用の各種キーや内蔵キーボード等も考慮しなくてはならないですからね。更に言うと同じ無線LANやBTを搭載しているとはいえ、Touch Bookは内部的には単なるUSB接続であるのに対し、Pandoraは携帯電話と同じ専用チップ、コントローラー部分もUSBじゃなくてGPIO?(専門的過ぎて私には理解不足)といった専用設計が必要な部分みたいですし。それにBBはクロックアップするとかなり熱を帯びるらしいのですが、PandoraはオーバークロックしてもBB程には熱を帯びないようになっているらしい? これは確証はありませんが、そのような話題が出ていたのは確かです。

上のようなやりとりがあった訳ですがMWeston氏は何もTouch Bookがズルいとか安易な設計だとか言いたい訳では無いと書いていました。あくまでPandoraが企画されMWeston氏が開発を引き受けた段階ではOMAP3を使った企画自体がほぼ皆無であったし、ましてBBのようなオープンなプロジェクトは存在しなかった訳でMWeston氏としたら一人でコツコツと設計していたPandoraを何も知らない外野から野次られて技術者としての名誉を傷つけられたのかもしれません。確かに結果だけみたらPandoraよりも開発が遅かったTouch Bookの方がスムーズに開発出来たのは事実ですからね。ただ、これまでの経緯を知らない人にデマだけで野次られたのが我慢出来なかったのかもしれません。

まぁコミュニティの大多数のメンバーはPandoraチーム、とりわけ一人でハードウェアを担当してくれたMWeston氏にたいして最大限の感謝を持って接していますけどね。たいして報酬も貰えないのによくぞ担当してくれたと(笑)。さすがにハードウェアは専門家じゃないと作れませんし。ちなみにソフトウェア担当のメンバー全員が「ボランティア」で担当してくれています。ありがたい事です。

長々と書きましたが、だいぶ昔の事なのでうろ覚えです。多分大筋ではあっていると思いますけど。それとEngadget Japaneseに難癖を付けている訳でもありません。いつもPandoraの話題を書いてくれているので感謝しているくらいです。ただ前々から気になっていた部分なのでこの際書いてみただけです。あしからず。

#Picasa
Beagle Boardの基板。

Touch Bookの基板。USBで接続されていますね。

Pandoraの基板。

#外部リンク
オープン携帯機 Pandora ついに完成、出荷開始 -- Engadget Japanese
http://japanese.engadget.com/2010/02/12/pandora/

Always Innovating: Introducing the Smart Book
http://www.alwaysinnovating.com/home/

Board - AlwaysInnovating
http://www.alwaysinnovating.com/wiki/index.php/Board

Top part - AlwaysInnovating
http://www.alwaysinnovating.com/wiki/index.php/Top_part

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: BeagleBoard.org
http://blog.minawa.net/2008/04/beagleboardorg_935.html