2009/02/02

PandoraとUSB #01

暇なのでPandoraについての考察をひとつ。PandoraやBeagleBoardのWikiを読んでみると、USBについての疑問が浮かんできました。PandoraやBBの基本となるSoc「Omap3530」には基本的に2つのUSBポートが付いています。1つがEHCI、もう1つがOTGです。EHCIは普通のパソコンについているサイズで、OTGは携帯機器についているようなミニサイズのやつですね。

ここからが問題なのですが、どうやらこの2つには、それぞれ問題があるらしいのです。EHCIは普通のサイズなのでそのまま大半のUSB機器を挿す事ができます。そこまではOKですね。ただOMAP3のEHCIはUSBの転送速度規格である「LS」「FS」「HS」のうち「HS」しかサポートしていないのです! 参考までにウィキペディアから転送速度についての説明文を引用します。
転送速度
Low Speed(LSモード)‐1.5Mbps
キーボードやマウスなど、高速な通信が必要ない周辺機器に用いる。
Full Speed(FSモード)‐12Mbps
イメージスキャナやプリンタなど、通信速度が要求される周辺機器に用いる。G5 Laser Mouse等、ロジクールの一部のマウスでも用いられている。USB1.1まではこの速度が最大。
High Speed(HSモード)‐480Mbps
大容量ストレージなどを実用的な速度で扱える。USB2.0で新設された。
SuperSpeed(SSモード) - 5Gbps
SSD(Solid State Disk)等の高速デバイスを扱える。USB3.0で新設された。
という事で、残念ながらEHCIではUSBマウスやキーボード、更にスキャナやプリンタ等が使用できないのです……。何てこった。ただし、抜け道としてHigh Speed(HSモード)に対応したUSBハブを併用すれば、LSモード、FSモード共に使用できるようになるようです(多分)。長くなったので、一度終わります。この話はもう少しだけ続きます。

2009/02/01

Pandora Prototype Running Angstrom

どうやらPandoraのプロトタイプでAngstromを動かしているビデオが公開されたみたいです。これはなかなか興味深いですね。意外に思ったのはアプリケーションの実行速度です。XMMS(ミュージックプレイヤー)を実行させながら、Firefox(ウェブブラウザー)とGIMP(グラフィックエディター)を立ち上げるというデモを行っていますが、重量級アプリである、この2つが起動中であるにも係わらずXMMSの再生が途切れていませんでした。最近のパソコンではあまり見かけないでしょうが、Pandoraのような携帯機だとメモリ使用量が限られるので結構驚きです。

それと、Firefoxの起動速度。私はリビングでAMD Athlon 650Mhz(K7)、メモリ256MBという骨董品のパソコンを使用しているのですが、Firefox3を起動すると、1分以上待たされます。ちなみにWindows2000です。それに比べると、Pandoraのこの起動時間はかなりのスピードだと思います。GIMPはそうでもないですけど(笑)。まぁ同時期に起動させていますからね。以前の動画でのGIMPはここまで遅くありませんでしたし。というか、私はPandoraでGIMPを使うことはないと思いますけど。画面小さすぎるし(笑)。

それと気になったのがAngstromの内容ですね。多分ですけど、これはEnlightenmentのE17ですよね? 以前もE17のデモを使用していた事もありましたけど、その後にMatchbox版になったと思ったのですけど……。まぁE17はBeagleBoardの方ではデフォルトみたいですし、そっちのイメージからの流用なのかもしれませんけどね。この辺りはどうなっているのかはっきりしてもらいたいところです。個人的にはこれくらいの速さで動くなら、MatchBoxじゃなくてもいいですけどね。

ちなみにEnlightenmentの開発者であるrasterman氏は既にBeagleBoardを入手済みで、Pandoraも予約しているそうです(笑)。そう考えると、デフォルトがEnlightenmentになる事も、将来的にはあり得るかもしれませんね。

もう1つ気になっているのが、XMMSです。正直言いまして、今時XMMSがデフォルトなのはいかがなものかと思っています。実際、既に開発はされていませんしね。それに何より、日本語の扱いがかなり悪いという気がします。今は使っていないのでどうだかわかりませんけどね。確かGTK+2じゃなくて、GTK+でしたし。まぁこの辺りは日本人(というよりマルチバイト圏)じゃないと気付かない点だとは思いますが。適当に書いたので出鱈目かもしれません。あしからず。

最後にブートタイムについて。だいたい30秒くらいですかね。流石に速い訳じゃありませんが、フル環境のLinuxを起動させるから仕方がないかもしれません。最近公開されたMoblinはかなり速いですけど(笑)。あれはIntel以外の環境でも流用できるのかな? もしそうなら、いずれは取り入れられるかもしれませんね。それに前聞いた話ではPandoraはブートは遅いけど、サスペンドとハイバネートが機能するから、普段はそちらを使った方がいいかも、とかいう流れでしたし。どうなるかわかりませんけどね。

#YouTube
Pandora Prototype Running Angstrom - YouTube
http://youtu.be/Nis0OjKmGGY



#外部リンク
News
http://www.rasterman.com/index.php?page=News

2009/01/29

Pandora prototype in action

Pandoraの実機でのデモンストレーション動画が公開されました。完全ではないですけど。音量調節部分が未実装ですし。ただキーパッド、アナログ、十字キー、ABXYボタンといった部分は、ちゃんと繋がっているのがビデオから確認できたのが大きな収穫ですね。

それとPSPのアダプターで動かしているのがおもしろかったですね。後はWiFiやBT接続辺りを見せてくれると嬉しいのですけどね。こうなってくるとFDMじゃなくてCNCのケースも早く見たくなってきました。CNCは色以外は、ほぼ実機といっていいくらいの精度だと思うので。でも後2週間以上掛かりそうだな。

#YouTube
Pandora prototype in action - YouTube
http://youtu.be/6MaIQYHd23A

Pandora FDM prototype

PandoraのFDMプロトタイプケースが公開されましたね。ケースだけなんでまだ何とも言えませんが、何か思っていたより「小さい」という印象を受けました。相変わらず、ふとましいという印象も受けましたけど。全体としては好感触。蓋部分が前回よりも丸みを帯びているのが一番の変化ですね。

確かに威圧感がなくなって閉まっている場合はかなりいい感じです。ただ開いた後は前回の方が良かったかも。丸みの部分がなんかしっくりこない感じがします。前回の「ガチムチ」した漢らしさが無いというか(笑)。カクカクなのも魅力的だったのかも。まぁ慣れそうですけどね。

外見以外での気になった点ですがバッテリーの蓋部分がネジ止めから、携帯電話みたいな開閉部に変わっていた事。これは地味ながら好印象です。というのもバッテリーの交換が楽に行えるからです。Pandoraの場合、4000mAhという大容量バッテリーなので通常の用途ならバッテリーの交換作業は必要ないとは思いますけどね。この辺りは、また別の日にでも書こうかなと思っています。何かフォーラムを覗き見してみると今週中に実際に動かしているビデオも公開するらしいのでもう少し待ってみるつもりです。

余談ですが、キーボード部分はあくまでプロトタイプらしいです。製品版では以下にあるような艶のあるコーティング(もしかしたら、蛍光素材?)が施されるみたいなので、その辺りは気にしなくても良さそうです。それと非公式の完成予想CGも貼り付けておきます。本当にこんな感じになると嬉しいのですけどね。

#Picasa


#YouTube
Pandora FDM prototype, take 3 - YouTube
http://youtu.be/6T6zzV1vmOI

2009/01/28

Mozilla、ウェブ用オープンビデオフォーマットに助成金10万ドル

最近Pandoraばっかり追っかけてたので、このニュースは見逃してました。Mozillaも粋な事しますね。素晴らしいことだと思います。この記事にも出ていますが、Mozilla FoundationとWikimedia FoundationがXiph.Orgの支援をしてくれるのは本当に心強い事だと思います。どちらもOSSに関して好意的ですし、

何よりインターネットにおいて、かなりの影響力を持っている存在ですからね。私はOSS寄りなので普通の人よりもそういった風に見えているだけかもしれませんが。でも、この2つが支援してくれるのとくれないのとじゃ天と地ほどの差があるのは事実ですからね。ありがたい事です。本当はGoogle(Chrome)とYouTubeもサポートしてくれると嬉しいのですけど。もちろんMSもですけどね。無理でしょうけど。

記事中にも触れられていますがOgg Theoraについて必ず出てくる意見が「今更、こんな中途半端なコーデックなんて必要あるの?」っていうのがありますけど、やっぱり必要だと思います。理由は何回か書いたと思うので割愛しますけど。

#外部リンク
Mozilla、ウェブ用オープンビデオフォーマットに助成金10万ドル
http://jp.techcrunch.com/archives/20090126mozilla-gives-100000-grant-towards-an-open-video-format-for-the-web/

フリーソフトウェアで使える音声コーデック - SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載
http://sourceforge.jp/magazine/05/10/19/037219

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: Ogg Speex
http://blog.minawa.net/2005/10/ogg-speex_1859.html

2009/01/27

Pandoraに動きがありそう

どうやら、今日(火曜日)か、明日あたりにPandoraの実機(ほぼ全ての部品が揃って動作するもの)が公開されるみたいです。実機といっても、MP(大量生産品)ではなくて、FDM(熱溶解積層法)で製作した試作品ですけど。ちなみにFDMの後にCNC版も製作するみたいです。こちらはもうしばらくかかりそう。

FDMというのは以前にビデオ公開されたような少々粗めの黒いケースみたいなやつで、CNCというのはFDMよりも仕上がりが綺麗な白いケース? になるのかな。CNCのサンプルとしてiControlPadのビデオも貼り付けておきます。ちなみにiControlPadもPandoraとほぼ同じチームが製作しているみたいです。コントロール部分とか同じような感じになりそうですね。なんか、あんまり評判よくないみたいだけど。

#追記
そういえば既にFDM版の一部は公開されていたのでした。上のやつは以前に作った最初期版。明日以降公開されるのはアナログスティック部分もサイズ合わせてあると思います。下の蓋部分は新しいやつですね。液晶とスピーカー、WiFiアンテナ部分も組み込まれていますね。ちなみに現状のドライバーでWiFi、BTともに動作するみたいです。というか全デバイスが一応動くレベルではあるらしい。早く組み立てた実機を見てみたいですね。

#Picasa


#YouTube
Pandora Prototype next to a DS Lite - YouTube
http://youtu.be/1WOMFrOCti4



iControlPad - Gamepad for iPhone & iPod Touch - A new video from ZodTTD! - YouTube
http://youtu.be/7ojLKeewbEk

2009/01/25

GP2X F300?

gp32x.comのフォーラムを覗いていたら、ちょっと気になる情報が書いてありました。何やらGP2Xの新製品が出るらしいとのこと。その名も「GP2X F300」。詳しいことはまだ判りませんが、どうやらスペック的にはGP2X Wiz(というか、中の人はWiz?)でケースデザインが今までのGP2Xと同じみたい(F200)。何で今頃こんな事になっているのか理解に苦しむ部分もありますけど。もしかしたらWizのデザイン(主にコントロール部分)が不評なのを見て、急遽計画したのか、あるいはF200のケースにたまたま合う形状だったりしたのかも。

個人的にはWizの方がデザインとしては好みなんですけどね。ただ以前にも書きましたが、あのコントロール部分では、ゲームコンソールとしては使い物になるか微妙な感じがしていまして。現物を見ていないので実際はどうなのか判りませんけどね。フォーラムメンバーも、賛否両論といった感じですね。デザインならWiz、実用性ならF200みたいな感じかも。まぁF200も、日本のゲーム機(DSやPSP)と比べたら、かなり悪い部類ですけどね。

さて、どうなることやら……。ちなみに現行のGP2X(F200)のソフトは動かないそうです。Wizの方とは互換性がある模様。まぁWizとGP2Xはバイナリ互換ではありませんがソース的には互換性があるので、大した問題ではないですけど。それとバッテリーが乾電池から専用バッテリーに変更されるみたい? これは嫌な人もいるかもしれませんね。まだ不明瞭な部分が多いので話半分と思っておいて下さい。

#Picasa

2009/01/14

NokiaがQtのライセンスを変更

まだ記事すら読んでませんが、これはPandoraというかLinuxを含めたOSS界隈にとって、良いニュースだと思うのでメモしておきます。今までのGPLに加えてLGPLもライセンスとして認めるって事ですかね。他の人の意見を見ると元からGPLでやっているOSS信者的にはあまり恩恵はないですが、小さい会社や個人でシェアウェアなんかを開発している人にとっては、かなりのメリットがありそうだとか。これによってクロスプラットフォームで便利な小物アプリ系が充実する事になるといいのですけど。

#外部リンク
LGPL License Option Added to Qt — Qt - A cross-platform application and UI framework
http://qt.nokia.com/about/news/lgpl-license-option-added-to-qt/

Nokia Qt LGPL switch huge win for cross-platform development
http://arstechnica.com/open-source/news/2009/01/nokia-qt-lgpl-switch-huge-win-for-cross-platform-development.ars

Pandoraのソースコード公開開始

この前書いたPowerVR SGXバイナリに続いて、Pandoraのソースコードもgitで公開され始めたようです。まだカーネル、U-BOOT、WiFi部分だけですが、もう少ししたら他の部分も公開されると思います。

正直、私のような素人にはカーネルが公開されても、弄れるところなど微塵もない訳ですけど(苦笑)。でも、理解できる人にとっては待望の知らせかもしれませんね。私が理解出来そうな部分といえば、WiFi関係がAndoroidの成果物であると言う事と、Pandoraのキーマップに「KEY_COFFEE」ボタンがある事くらいです(笑)。WiFiのやつは、以前書いたTIの記事と関係しているのかな? 全然見当違いかもしれませんけど。

ということで、自分でソースコードを確認してみたい方は以下のリンクから辿ってみて下さい。それにしても俄に活気付いてきましたね。特にソフトウェア部分。後は実機の仕上がりを確認するだけなんですけどねぇ。一応、明日がケースデザインの最終決定日らしいので、その後、早くて2週間、遅くとも4週間後くらいにはケースのMP用試作版が公開されると思います。これ以上遅れがないようにしてもらいたいですね。

#外部リンク
Pandora Sourcecodes
http://git.openpandora.org/cgi-bin/gitweb.cgi

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: どう見てもPandoraです。
http://blog.minawa.net/2008/10/pandora_1923.html

2009/01/10

BeagleBoardのPowerVR SGXドライバー解禁

PandoraじゃなくてBeagleBoardの話題ですが、どうやらPowerVR SGXのLinuxドライバーが解禁になったみたいです。どのくらいのパフォーマンスが出るのかは、私のような素人には理解できませんが、約束通りLinux環境からPowerVR SGXのドライバーを使えるようになったのは、かなり大きな進歩ですね。

ちなみにPandoraの開発チームも同様なドライバーを入手済みのようです。もう少ししたら同じようなデモが公開されると思います。早く実機での動作を確認したいです。

#YouTube
SGX working with 2.6.27 - YouTube
http://youtu.be/3ToYOgP9f9U