2010/08/20

Rogue Reborn

最近、個人的に追いかけているXreal Engineですが、実は既に派生エンジン(兼新ゲーム)があったりします。もともとXreal自体がid tech 3(Quake 3 Engine)の派生エンジンであるioquake3の派生版な訳ですが、そこから更に派生したのが今回取り上げる「Rogue Reborn」なんですね。

簡単に説明するとid tech 3をオープンソース環境でも使いやすくして更に互換性を維持しつつ微妙にグラフィック関係を強化したりOpenALやOgg Vorbis、VoIP機能等を追加したものがioquake3。そのioquake3を主にグラフィック強化(レンダラー)しid tech 4(Doom 3 Engine)世代のアセット(MD5やBSP)を読み込み可能にしたものがXrealです。

ではXrealからRogue Rebornは何が強化されているのかというと実は内部的に結構変わっているようです。まず一番大きな変化はプログラム言語がC言語からC++言語へと変化しているようです。この変化により現段階ではまだ実験的ながらも物理演算エンジン「Bullet」とのネイティブな統合が行わる予定らしいです! これは大きい変化ですね。

Xrealでも物理演算エンジンの搭載は予定されていますが、今のところBullet本体ではなく、Java実装版のJbulletになる可能性が高い訳ですし。何で素直にBulletにしないかというと、どうもC言語主体のプログラムにC++言語のプログラムを掛け合わせるのが難しいかららしいのです。完全に素人なので何故なのかは理解できませんけど。

他にも野心的な改良が行われているようで、例えばGoogleが開発しているJavascriptエンジン「V8」を移植していたり! 正直これもかなり驚きました。どうやら柔軟なGUI開発の為らしい? ですが他にもJavaScriptの開発者は大勢いるし、優秀な人も多いので開発者の目を惹きやすいというのもあるかもしれません。まだ詳しく調べていないのであいまいですけど。

他にもXrealで使われているビルドツール「SCons」から「CMake」に移行したり、更にプログラムの構成を以下のように変化させたりしているようです。詳細はわかりませんが、主催者はかなりオープンソースプロジェクトに造詣が深い感じがします。何というか、他人とのコラボレーションを配慮しているような感じ(笑)。何がどうというのは説明出来ませんけど。
* Server
* Client
* Shared
* Renderer
* Game
* Gui
そんな感じでかなりの変化をもたらしている「Rogue Reborn」ですが、こちらも最近、主催者のモチベーションが大きく下がってしまって、一旦制作が凍結してしまっていたようです。原因は全然盛り上がらなくて、協力者が集まらなかったかららしい。特に、モデラーやマッパー。奇しくもXrealのゲームと同じ原因ですね。やっぱりオープンソースのゲームはコンテンツ不足が顕著なようです。逆に言えば、この問題を何とかクリア出来れば、今よりも盛り上がる可能性があるという事ですね。

そんな感じで一旦は終了宣言が出されたRogue Rebornですが、つい最近になって、また作者のモチベーションが上がってきたらしく開発が再開されたようなのです。これも偶然といえば偶然ですね。まだW:ETのオープンソース化の前の話ですし。虫のたより的な感じです。

実はBullet実装前に自分でビルドしてみた事があるのですが、一応、ビルドが通ってバイナリが生成出来たのですが、残念ながらスタート画面から先に進めなかった記憶があります。今は更にBulletが実装されてしまってUbuntuの環境では自力でBulletからビルドしなくちゃいけないので気力がつきて試さずにいますけど。

Xrealは一応ビルド出来てゲームもプレイ可能だったのでそういう意味ではXrealよりも安定性の面では劣っているのかもしれません。まぁまだプロジェクトが始まったばかりなので、安定性は語れないかもしれませんけど。いずれにしろ、新しいプロジェクトが出来てくるのはお互い刺激されるし、良い事だとは思いますけどね。これから先、Xrealと並んで要チェックなプロジェクトだと思います。こう御期待。

#YouTube
最新のプレイ画面。なかなか良く出来てそうです。注目はリーン(覗き込み)や、スタングレネードの画面効果等です。途中大音量注意。
Rogue Reborn - Various Work In Progresses - YouTube
http://youtu.be/3YNz7VsjaSQ



Bullet実装テストらしい。
Rogue Reborn - Bullet Physics Testing - YouTube
http://youtu.be/Cc7zvoB5lQU



V8の説明らしい。正直、何を言っているのか私には理解不能ですが。
A talk on the implementation of Google's V8 within Rogue Reborn - YouTube
http://youtu.be/_8cb84x944I



#外部リンク
Rogue Reborn PC game - Mod DB
http://www.moddb.com/games/rogue-reborn

2010/08/18

Xreal Engine 情報

Xreal Engine についてのちょっとしたメモです。まず、いままでの「Xreal」プロジェクトは「(FPS)ゲームエンジン」と、そのゲームエンジンを使用したFPSゲームとしての「Xreal」の2つの意味がありました。今回の「ET-XreaL」の発表を機にFPSゲームとしての「Xreal」は開発を終了して、これからはゲームエンジンとしての「Xreal」の開発のみに専念するそうです。ベースとなっている「ioquake3」と同じ手法ですね。

「ioquake3」も自らのプロジェクトではゲームそのものは開発していません。代わりに「ioquake3」を使用したサードパーティがゲームを開発しています。例えばQuake3 Arenaのクローンである「Open Arena」やコミカルな「World of Padman」、西部劇調な「Smokin Guns」、他にも「Tremulous」、「Urban Terror」など多彩なゲームに活用されています。

Xrealの場合は残念ながら意図的にという訳ではなく単に人的リソース不足が中止の原因だそうです。ぶっちゃけモデラーやマッパー(レベルエディター)が集まらなかったって事らしいです。この点は私が最初に見たXrealの記事の時点で懸念されていた事なんですよね。やっぱりオープンソース系ゲームだとどうしてもプログラマー以外の集まりが悪いですからねぇ。問題はコンテンツ(アセット)の不足という事なんでしょう。

「Xreal」がベースとなった「ioquake3」と比べて何処が優れているのかというと、まずはレンダラーの改良による表現力の強化ですね。またGPU依存度が高くなる代わりにVBO等の使用が可能になったという事らしいです。これは単純に高FPSを維持できるようになるみたいです。

またDoom3 (id tech 4)エンジン世代のマップ(BSP)と互換性のあるマップ(XBSP)の採用による表現力の強化。同じくDoom3 (id tech 4)エンジン世代のモデル(MD5)そのものを使用可能なので同じく表現力の強化が可能らしいです。要はDoom3 (id tech 4)エンジン世代と同程度のクオリティを表現可能って事ですね。素晴らしい。

後は、スクリプト用言語として「Lua」を組み込んでいるみたいです。元々、id techはC言語ライクな「QuakeC」と呼ばれるオリジナル言語を組み込んでいるらしいのですが、やはり簡単に使えるスクリプト言語があったほうが楽ですからね。

ベースとなっているioquake3が採用しているSDLやVoIP機能等もそのまま使用可能です。特に書かれていませんがSDL使用によるマルチバイト表示は日本語化の為には必須ですからね。って多分日本語フォントの表示までは可能だと思うのですけど、確認は出来てませんが。ちなみにオリジナルのid techは現行の4まで、日本語フォントは使用不可らしいです。多分ですけど。

まだ完全ではないのですが「Lua」に続いて「Java VM」も組み込んでいる最中らしいです。これは凄い。これには賛否両論があるようですが、このJVM搭載の第一目標は毎度お馴染みの物理演算エンジン「Bullet」のJava実装版である「JBullet」をXrealでも使用可能にする為らしいです。これはどちらかというと概念実証 (Proof of Concept)の類らしいです。しかし実験では実用的に使用可能だったらしい。最近のFPSエンジンに物理演算エンジンは欠かせなくなっているのでXrealもBulletが使えるようになると見栄え的にはいいですけど。

他には、Xrealに実装されるかわかりませんが最近のオープンソース系FPSゲームで話題になっているモデルフォーマットに「IQM(Inter-Quake Model)」というのがあります。これはCubeというオープンソースのゲームエンジンで採用されたモデルフォーマットなのですが、Xrealでも採用されているMD5よりも優れている上に互換性もあるフォーマットらしいので、もしかしたらXrealでも採用されるかもしれません。

既にQuake系ゲームエンジンである「DarkPlaces」や「CRX(Alien Arena)」でも採用されているので、同じQuake系のXrealでも移植は難しくないと思われます。何より、この「IQM」の登場により、微妙にバラバラだったオープンソース系FPSゲームのモデルフォーマットが、別系統である「Cube」系エンジンも併せて統一される可能性が高まりますからね。こうなると、オープンソース系の弱点である「Asset」の不足という問題も一気に解決される「可能性」はあると思います。

#外部リンク
Games that use this Engine | ioquake3
http://ioquake3.org/extras/derivative-games/

Inter-Quake Model (IQM) Format
http://lee.fov120.com/iqm/

JBullet - Java port of Bullet Physics Library
http://jbullet.advel.cz/

2010/08/17

Google Sitesでハマった事

単なるメモです。久しぶりにGoogle Sites(MINAWA.NET)を弄ってみたのですが、どうもページ名がおかしかったのです。具体的には「Game Engine」というページ名にしてURIが「www-minawa-net/game-engine」になっていたものを一度削除しました。

その後また「Game Engine」というページ名で、以前と同じ手順でページを作成したのですが、そうするとURIが「www-minawa-net/game-engine-1」という名前になってしまったのです。これはこれでいいのかもしれませんが、末尾に「-1」とか勝手に名前を改名されるのが、どうも気に入らなかったのです。

どうすれば、「-1」無しのオリジナルなURIになるのかと悩んだのですが、試しにもう一度「Game Engine」というページ名を同じ手順で作成してみたら、今度は「-2」を付加したURIに変更されていました。ここでようやく仕組みに気付いたのでした。Google Sitesは一度作成したページを削除して新たに同じ名前でページを作成しても内部的には別のページという事で自動的に区別されているのですね。何というかありがた迷惑です。

この方がプロからしたら正しい動作なんでしょうけど、素人にはややこしいルールです。で、結局、オリジナルの「www-minawa-net/game-engine」をもう一度使いたい場合はどうするのかというと更新履歴を遡って「www-minawa-net/game-engine」の削除を取り消せばよかったみたいです。なるほど。お陰で余計なページを2つほど作ってしまいましたよ。

答えを書くと自分の間抜けさを晒すだけなので書くのをやめようかとも思ったけど、もしかしたら、同じようにGoogle Sitesで悩んでいる人がいるかもしれないので、一応書いておきました。って、そんな人いないかもしれませんが……。

#内部リンク
Game Engine - MINAWA.NET
http://www.minawa.net/game-engine

2010/08/16

Xreal再始動、他

いやいや、暑いですね。今日は特にそう感じました。夜でも暑いですが。先日速報でお知らせした「id Software Open-Sources ET, RTCW」ですが、早速新しい流れが出始めています。前回はあまり時間が無かったので、ほぼ見出しのみしか書きませんでしたので、今回はもう少し詳しく説明してみたいと思います。

今回id Softwareがオープンソースとして公開したのは「Wolfenstein」という人気ゲームシリーズのうちの2作品です。「Return to Castle Wolfenstein」(通称「RtCW」)と、「Wolfenstein: Enemy Territory」(通称「W:ET」)です。RtCWはシングルプレイとマルチプレイが可能であり、その続編にあたる「W:ET」は、マルチプレイのみに特化したゲームです。本来は「W:ET」もシングルプレイ有りだったようなのですが、開発が難航して、完成していたマルチプレイのみをフリーゲームとして公開するという事で落ち着いたようです。

「RtCW」と「W:ET」の二作品に使われているゲームエンジンは元々、Quake 3 Engine(iD Tech 3)がベースになっています。ご存知の方もいるかもしれませんが、Quake 3 Engine(iD Tech 3)は既に数年前にオープンソースとして公開されていました。ですので、基本的な部分は既にオープンソース化されていたのです。で具体的に何が今回のオープンソース化で変化するのかというとゲームコード部分らしいです。ゲームコードで何が変わるのかというと、ズバリゲームシステムそのものですね。

私も素人なのでいい加減な知識しかありませんけど。「RtCW」でいうと、シングルプレイ時の敵AIとか(曖昧)、「W:ET」は今までのQuake3系ゲームにはなかった、「スキルシステム」や「クラス制」が新たに加わる可能性が高いです。特に「W:ET」のシステムは、数年経った今でも、かなり高い評価を得ているゲームシステムなので、このシステムがOSS系ゲームでも使用可能になるのは、とても大きなメリットだと思います。

ソースコードが公開されてから、数日しか経っていませんが、既に幾つかのプロジェクトが動き出しているようです。まずは、Quake3エンジンの改良版である「ioquake3」が、「iowolfet」と「iortcw」という新たなプロジェクトを立ち上げるそうです。これは、ioquake3をベースに、それぞれのソースコードを追加したものになりそうです。ioquake3自体がQuake3エンジンとの互換性重視なので、それほど大きな変化は加えられないとは思いますけど。安定性重視ですし。

ioquake3とは別の動きとして、何度か取り上げたことがある「Xreal Engine」の方でも、新たに「ET-XreaL」というプロジェクトを立ち上げたようです。これも名前から判るように、「Xreal」をベースとして、今回公開された「W:ET」のソースコードを追加していく方針のようです。「Xreal」について、知らない人がいるかもしれませんが、このエンジンは「ioquake3」をベースに、主にグラフィック(レンダラー?)を野心的に強化したエンジンです。詳しくは以前書いた駄文を見てもらえれば幸いです。

今回の発表に際し、Xrealの実力を示すビデオが公開されました。どうやら、並列分割シャドウマップ技法(Parallel-Split Shadow Maps)という技術デモらしいのですが、正直どういうものかは私にはわかりません(苦笑)。ただ、映像を見た限り、かなりリアルな表現が可能な技術なようです。それにしてもid tech 3ベースのエンジンでここまでのリアルな表現が可能になるとは俄には信じられませんね。

まぁこれは映像のプロが作ったデモで、誰もがここまでのレベルを簡単に制作可能という訳ではないでしょうし、上手くXrealの弱点(変なテカリ方)を覆い隠している印象はありますけど。それを差し引いても、他のオープンソースなFPSゲームエンジンと比べて、グラフィックの表現力は群を抜いていると思いますね。長くなったのでここで終了です。

#YouTube
是非ともリンク先の720pでご覧下さい。
XreaL Parallel Split Shadow Mapping - YouTube
http://youtu.be/vWkhyIeEfjY



#外部リンク
Welcome Wolfenstein: Enemy Territory and Return to Castle Wolfenstein! | ioquake3
http://ioquake3.org/2010/08/12/welcome-wolfenstein-enemy-territory-and-return-to-castle-wolfenstein/

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: XreaL
http://blog.minawa.net/2009/04/xreal_1079.html

BLOG.MINAWA.NET: XrealRadiant
http://blog.minawa.net/2010/08/xreal-engine_4491.html

2010/08/15

Pandora情報更新 #08/15

かなり久々にPandoraの情報。別に忘れていた訳じゃないです。単にこれといった動きがなかっただけで(笑)。とはいいつつ最近は前ほど熱心には情報収集していないのも事実ですけどね。何せ動きが遅すぎて。そんな可愛いどん亀さんですが、最近また動き始めたみたいです。えーと、まず何が原因で動きがストップしていたかというと、主に「Nub」つまり、アナログスティック部分の不具合みたいです。

実際に組み立てて出荷する段階になると何故かNub部分が動かない個体がチラホラと出てしまっていたようなのです。といっても高確率な故障率じゃなかったそうなのですが、このまま数千個単位で生産していくと故障率も馬鹿に出来なくなるし、何より原因がはっきりわからないままでは、これから先のPandoraの安定供給は不可能なので、非常に残念ではあるけどNubの生産メーカーが原因を突き止めるまで新たなPandoraの生産は中止状態だったようです。

他にもMBにもいくつか動かないモノがあった? ので、テキサスのメーカーに送り返して、もう一度検査してもらっていたらしい? ちょっと曖昧な情報ですが、そんな感じで足踏み状態だったみたいです。贔屓目かもしれませんが、Pandoraのような零細メーカーの場合、品質管理に問題があるのは、ある意味仕方ないのかもしれません。何せ実質4人の会社ですから。しかも、アマチュアが主体ですし。

そんな感じで2ヶ月くらいダラダラと過ごしていたようですが、最近になって、ようやくNubの不具合が修正されたらしいです。あくまで、Craig氏の情報ですけど。それで、来週の月曜日には新しいNubを取り付けたMBのPandoraが約200台、出荷されるそうです。ちなみに、今まで出荷したPandoraは約700台らしいです。

そのうち約50台が何らかの不具合で返品、交換されたそうです。700台で50台ですか。流石にちょっと多いかな。まぁ初版だからそんなもんなのかもしれませんけど。ちなみに実際はもっと多いのではないかという意見もあります。細かい不具合で返品まではどうかなと思っている人もいるでしょうしね。まぁこればかりはPandoraチームを信じるしかないですけど。

あとはケースですが、既に4000個は生産されて、例の塗装過程にあるか、あるいは既に終わっているそうです。ちなみに、LRボタン部分は塗装されないように変更されたそうです。何故かというと、塗装による厚みで上手く押せない不具合が発生したから(苦笑)。まさに手探り状態ですね。勝手に塗装込みにした中国メーカーに責任がある気がしますけど。そのケースですが当面必要な1500個を飛行機便で飛ばして残りはお金の節約の為に船便で運ぶそうです。だいたい一ヶ月くらい掛かるらしい。1500個はもっと早いですけど。

まぁそんな感じでいつ終わるんだ的なツッコミを入れまくりのPandoraプロジェクトですが、何とか破綻せずに進んでいるようです。ソフトウェアの面では、更に順調に進行中みたいですし。特にNotaz氏とDJWillis氏によるカーネルやOS部分。もう少し調べたら、また駄文を書くかもしれません。最後に先日、YouTubeで公開されたPandoraチームによる制作風景。何やら牧歌的な香りが漂ってますが、見た通り、おっさん4人でコツコツとハンダ付けなどをして制作しているようなので、見捨てずに見守ってあげて下さい。

#YouTube
A day in the life of the British console manufacturing industry. - YouTube
http://youtu.be/W6PmiurY68M

2010/08/14

id Software Open-Sources ET, RTCW

WoW!こりゃ凄い!今日はもう寝るので明日また調べなおしだ。ありがとう。カーマック先生。

#外部リンク
[Phoronix] id Software Open-Sources ET, RTCW
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=ODUwNA

2010/08/11

本家Ubuntuの日本語表示問題

昨日書いた事の続きです。大袈裟な書き方ですが実は大した事では無いです。きっかけは先日公開されたUbuntu 10.10のAlpha3をVirtualBoxで試してみた事でした。特に問題なく起動出来て試しにFirefoxでウェブブラウジングをしてみたのですが、その際に本家Ubuntu10.04で気になったFirefoxでの日本語表示のバグ? というか表示の汚さが解決しているか試してみたのです。

結果は10.04と変化がない状態。つまり汚かったのです。10.04は日本語フォントのデフォルトがTakaoフォントに置き換わったばかりで、もしかしたら何かの設定が間に合っていなかっただけなのかと勝手に思っていました。事実、日本語Remix版では特に問題もなかったですし。あれから時間も経過していたのでRemix版の成果が本家に取り入れられているかなぁなんて思っていたのですが特に変わっていませんでした。

このままでは今回の10.10でも本家版は日本語表示(一部)が汚いままでリリースされてしまうと思い、素人ながら解決策を模索し始めたのでした。前回の記事を自分で読み直していた時に、ふと古い中国語フォントと日本語フォントとのバッティングというのが気に掛かり「もしかして、古い中国語フォント(ttf-wqy-zenhei)以外の他言語フォントがまたバッティングしているのではないか?」という疑問が思い浮かんだのです。

ものは試しとVirtualBox上のUbuntu 10.10のフォントを調べていると、それらしいフォントが見つかりました。それは「ttf-unfonts-core」という名の韓国語 TrueTypeフォントでした。早速このフォントを削除してみたところ……。ビンゴ! 前回の記事で日本語の表示がおかしかったウェブサイトが見事修正されておりました。

多分ですが韓国語フォントに含まれている漢字部分が日本語フォントよりも優先される設定になっているのが原因なのではないかと思います。あくまで素人の推測ですけどね。せっかくなので写真付きで説明してみたいと思います。これって何処かに報告した方がいいのですかね。それとも大した問題じゃないのかな? とりあえずブログで書いとけば誰かが見てくれると思ったので書いときました。

#Picasa
Firefoxでの表示例。一部の漢字がおかしい。例えば、「繁体字中国語」等。

Firefoxでの表示例その2。こちら一部の漢字がおかしい。例えば、「半角英数字」等。

関係があるのかわからないが、試しにFirefoxのスタイルシートを無効にした状態。こちらは漢字含めて表示は問題なさそう。


これが「ttf-unfonts-core」。試しにこのフォントを削除してみたところ……。

同じウェブサイトをもう一度試してみた。今度は正常に日本語が表示されている。


Firefoxのフォント設定。デフォルトから特に弄ってません。

ついでに、Ubuntuリポジトリにあったchromium-browser。日本語化の為に「chromium-browser-l10n」もインストール済み。やっぱり汚い。


Chromiumのデフォルトのフォント設定。「chromium-browser-l10n」を導入後なので、ちょっと変化してるけど、全部「sans」って……。

フォント設定を以下のように手動で変更。これがベストなのかすらわからないけど。ちなみに、「ttf-unfonts-core」を削除していないと、表示の汚さは変わりません。

「ttf-unfonts-core」削除後。Firefoxと同じように正常に表示されているように見える。


ついでにバグみたいなものを発見。「/usr/share/fonts/truetype/」の写真だけど「/etc/alternatives/ttf-japanese-mincho.ttf」へのシンボリックリンクが「ttf-japanese-mincho.otf」になってる。対になっている「/etc/alternatives/ttf-japanese-gothic.ttf」へのシンボリックリンクは「ttf-japanese-gothic.ttf」なんだけど。

#外部リンク
Develop/Maverick/JapaneseEnvironmentForNonRemix - Ubuntu Japanese Wiki
https://wiki.ubuntulinux.jp/Develop/Maverick/JapaneseEnvironmentForNonRemix

2010/08/10

Ubuntuと日本語フォントの謎が解決したかも

もう一時か。ちょっと精神的に疲れてしまったので本題は明日以降にしますが以前から疑問だった本家Ubuntuでの日本語フォントの汚さの原因を探り出せた気がします。一体何のことを言っているのかと思った人は以前私が書いた駄文を読んでみてください。個人的にですが、正直かなり嬉しいです。もしかしたら私だけの問題なのかもしれませんが他の人の役に立つかもしれないので明日以降改めて説明したいと思います。勿体ぶって恐縮ですが、今日はここまでにします。

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: Ubuntu 10.04リリースだけど……
http://blog.minawa.net/2010/05/ubuntu-1004_8629.html

BLOG.MINAWA.NET: Ubuntu 10.04 LTS の日本語フォント
http://blog.minawa.net/2010/05/ubuntu-1004-lts_6072.html

2010/08/08

VDrift

最近オープンソースのゲームばかり追いかけている気がしますが、まぁいいか。今日取り上げるのは「VDrift」という3Dレーシングゲームです。私は名前くらいしか聞いたことがなかったゲームなのですが、調べてみるとOSSのレーシングゲームでは「Tux Racer」と並んで、代表的なゲームらしいです。SuperTuxKartは名前から分かるとおりLinuxのマスコットであるTux君(腹筋割れペンギン)が主役のコミカルなレーシングゲームなのに対し、VDriftはリアルな自動車による正統派レーシングゲームといった違いがありますけど。

そのVDriftなんですが、ウェブサイトをよく見ると使われているライブラリー類のロゴが表示されています。上から順に「SDL」、「OpenGL」、「Bullet」、「Vorbis(Xiph)」ですね。説明するまでもなく、それぞれがオープンソースの代表的なライブラリーですね。「OpenMW」や「The WorldForge project」、「Ryzom」、「Xreal」といったゲームもまた同じような構成のライブラリーを使用していました。まぁ物理演算エンジンのBulletは、まだあまり使われてはいませんけど。

代わりと言っちゃなんですがニコニコ動画で有名な「MMD(Miku Miku Dance)」なんかには、Bulletが使用されていますね。残念ながらMMDはフリーではあってもオープンじゃないですし、またクロスプラットフォームでもありませんけど。本当に惜しいです。

将来MMD自体がOSS化される、あるいは似たようなコンセプトのソフトウェアがOSSライセンスで公開されるようになれば大きな変化を巻き起こす可能性が高いと個人的には思っているのですけどね。まぁ既に有志の方によってMMD to Blenderは可能な段階ではあるのですけど。

横道にそれました。そんな感じで現在の著名なオープンソース系ゲームのライブラリー構成は幸か不幸か似たようなものになってきています。このVDriftも有志の方によって新たな試みが行われている最中のようです。具体的に云うと3Dグラフィックエンジンがオリジナルなものから「OGRE」へと変更したバージョンが既に制作されているようなのです。

一概にどちらのエンジンが優れているのかは判断出来ませんが移植性や今後の開発を考えると餅は餅屋的な意味ではOGREの方が良いのかなと素人的には考えられますがどうなんでしょうかね。パフォーマンス云々はまだ初期段階な事もありOGREの恩恵は無いみたいですけど。表現力的な意味ではOGREの方が好みかもしれませんが。

#YouTube
VDrift - racing simulator for Linux - YouTube
http://youtu.be/e57scWGyp0I



OGRE版
Stunt Rally ver.03 - jungle1 flip - YouTube
http://youtu.be/GQZGeKxxnv4



おまけでSuperTuxKart。
Gaming In Linux : Super Tux Kart - YouTube
http://youtu.be/PpDHaHH8Io4



#外部リンク
VDrift - Open Source Racing Simulator
http://vdrift.net/

vdrift-ogre - Stunt Rally game with Track Editor, based on VDrift and OGRE. - Google Project Hosting
http://code.google.com/p/vdrift-ogre/

Topic :: rendering by Ogre
http://vdrift.net/Forum/viewtopic.php?t=1316

Main Page - Supertuxkart
http://supertuxkart.sourceforge.net/Main_Page

4Gamer.net — インディーズゲームの小部屋:Room#65「VDrift」
http://www.4gamer.net/games/040/G004096/20081112021/

窓の杜 - 【週末ゲーム】第369回:リアル志向の3Dカーレースゲーム「VDrift」
http://www.forest.impress.co.jp/article/2009/03/13/vdrift.html

2010/08/05

OpenMW

「OpenMW」。これだけ聞くと一体何のこっちゃと思いますね。オープンなMW? ムーンウォーク? 手塚治虫のムウというのもありますけど。答えは「Morrowind」。私も去年衝動買いした洋ゲーのRPG「Oblivion」の1つ前のゲームなんですね。で「オープン」が付いているということは……。ウェブサイトの解説を読むと以下のように書かれています。
* be a full featured reimplementation of Morrowind
* run natively on Windows, Linux and MacOS X
* support all existing content, including Tribunal, Bloodmoon and all user created mods
* allow much greater modability: change game rules, create new spell effects, etc through scripting.
* fix system design bugs, like the "dirty" GMST entries in mods, and the savegame "doubling" problem
* improve the interface and journal system
* (possibly) improve game mechanics, physics, combat and AI
* (possibly) support multiplayer at some point
* (possibly) improve graphics to use more modern hardware
勝手に実行環境を整えて他プラットフォームへの移植、ゲーム内容の変更を可能にしましょうというプロジェクトらしい。また、このようにも書かれています。
Do I need Morrowind?

YES. You must legally own and install Morrowind before you can use OpenMW.
当たり前と言えば当たり前ですけどね。ゲーム自体(おそらくassets)は必要ですよという事らしい。素晴らしい試みだとは思いますがここまでやるなら何もオリジナルに拘る必要性は無い気がしないでもない……。完全に解析されているならば開発も簡単だろうけどそうでも無さそうですし。それに、このやり方だと販売元の意見次第で簡単に頓挫する可能性がいつまでも残りますしね。まぁベセスダはそこまで頭が固い会社じゃないとは思いますけど。ちなみに、以下のようなツールで開発を行っているみたいです。
OpenMW is built with various open source tools and libraries:

* Programming language: C++
* Graphics: OGRE
* Physics: Bullet
* Sound: OpenAL and Audiere
* GUI: MyGUI
* Input: OIS
* Scripting: not determined
うむ。なかなかいいチョイスですな。とか完全に素人なのに偉そうですが(苦笑)。3Dグラフィックエンジンに「OGRE」、物理演算エンジンに「Bullet」、サウンドに「OpenAL」、GUIに「MyGUI」、インプットに「OIS」ですか。他のプロジェクトだとGUIに「CEGUI」、インプットに「SDL」っていう方がポピュラーな気もしますけど。スクリプト言語は未定だそうですが、普通だと「Lua」辺りがきそうな気がしますね。

うーん、やっぱり、ここまでするなら、いっそ新しいサーガ(物語)を自分達で紡ぎだした方がいろいろな意味でいい気がしますけどね。ライセンス的な意味も含めて。モチーフにするくらいなら特に文句も言われないと思いますし。まぁそれだと作る方としてはおもしろくないのかもしれませんね。あくまでモローウィンドの世界を再現したいという気持ちがモチベーションかもしれませんし。

#YouTube
OpenMW terrain test2: skydiving - YouTube
http://youtu.be/2wwMZeL74wA



OpenMW: Mages Guild - YouTube
http://youtu.be/1ugvFIlcm4M



#外部リンク
OpenMW
http://openmw.org/

The Elder Scrolls Official Site
http://www.elderscrolls.com/