2012/08/09

久々にOgg Theora の話題

先日、WebRTCのMTI(Mandatory To Implement)コーデックの話題で、ビデオコーデックはVP8かH.264かでまだ揉めていると書きましたが、ふと、もう一つのパテントフリーかつオープンソースなビデオコーデックである「Theora」の事が頭に浮かんできました。

バージョンアップ版とも言えるVP8がオープンソース化された時点で、Theoraの重要度はかなり下がっているのは事実なのですが、調べてみると意外と使われてるみたいですね:-P

信ぴょう性は定かではありませんが、XiphのWikiによると、あの「Diablo III」のカットシーンにTheoraが使われているらしいです。同じブリザードの「StarCraft II」にも使われているらしいです。H.264はそんなにライセンス料は高くないですがMP4として使う場合、音声部分のAACは結構ボッタクリ値段らしいですからね。まぁMP3でも良いんでしょうけど。

ライセンス以外にクロスプラットホームの柔軟さもTheora選択の理由かもしれませんね。残念ながらLinuxにはネイティブで対応していませんが、Macには対応しているようですし。Theoraじゃなくて、Ogg Vorbisだと更にいろいろなゲームに使われてますからね。例えばPC版の「Halo」とか。ちなみにOgg Speexも、Xbox Liveチャットに使われてたりしたようです:-P

ちなみに、ライセンス料ですがMPEG2も高いみたいです。Raspberry PiのGPUはOpenMax経由でMPEG2のハードウェアデコードも可能なのですが、ライセンス料が3-4ドルくらい掛かるらしいので、諦めたそうです。何せ売値が35ドルと25ドルですからね。MPEG2の再生だけで10%も持ってかれるのは堪らんでしょうし。これ以外にH.264も払わないといけない訳ですし。

もう一つの話題は「TheoraPlay」です。これは、あの「Ryan C. Gordon」氏が「Humble Indie Bundle 4」の「Shank」というゲームをクロスプラットホーム化した際の副産物で、Ogg Theoraのゲーム内での取り扱いを簡素化するモノらしいです。

このTheoraPlay誕生の経緯も書かれていましたが、結構面白かったです。このShankというゲームは「Scaleform」というミドルウェアを使用しているそうなのですが、移植する最中に「Scaleform Video」のビデオコーデックだけが、どうしてもWindows以外へ移植する事が出来なかったらしいのです。ちなみに、このコーデックは「CRI Movie 2」らしい?

仕方がないので、Scaleform Videoのコーデックを「Bink Video」でエンコードし直そうと思ったらしいのですが、その時に「Ogg Theora」の事を思い出し、試してみた所、性能的には十分であると判断して、Shankで使えるように作ったプログラムが「TheoraPlay」らしいです。お金も浮きますからね:-P ちなみに以下のような特性があるそうです。
The benefits of this library are:
- It's simple to use.
- You don't need to know anything about Ogg Theora to pull video
and audio out of an .ogv file.
- It decodes on a background thread, behind the scenes, so you can get a
performance boost on multicore CPUs.
- It supports output in various video formats (YV12, IYUV, RGB, RGBA).
- It can decode from a filename, or from an i/o callback you provide.
- It's one .c source file and two .h headers that you drop right into
your project (plus libogg, libvorbis, and libtheora).
- It's zlib-licensed, which is even more liberal than the Theora license!
似たような事例は「ScummVM」にもあったそうです。以下、ウィキペディアから引用。
Broken Sword にはScummVM上でカットされたシーンがあるが、これはオリジナルがリリースされた際に Smacker video というフォーマットを使っていて、その開発元である RAD Game Tools が古い Smacker フォーマットの仕様を明らかにしておらず、ScummVMチームに対してもリバースエンジニアリングしないよう依頼したためである。そこで Revolution Software は再エンコードした版をScummVMのウェブサイトに置き、ダウンロード可能にした。
今はH.264とか汎用性があるビデオコーデックがいくつかありますから、ライセンスを気にしなければ、移植性はそんなに厳しくないでしょうが、Shankのような例もありますし、これからゲームを作ろうと思っている人は、参考になるかもしれませんね:-P

あと、Theora自体の話はないのですが、「Synology」という新興のNASメーカーのウェブサイトで、Ogg Theoraが使用されていました。使用例は少ないですが、こういった企業のPRビデオにも使われていると思うと、なかなか楽しいですよね。ちなみにSynologyのNASは、結構オススメです。オープンソースソフトウェアを上手く使っている印象を受けますし。日本だと価格がちょっと高めなのが玉に瑕ですけど:-(

#YouTube
Diablo III Cinematic Teaser - YouTube
http://youtu.be/EgbUSsblCSQ



Shank - Gameplay Trailer PAX 2009 [HQ] - YouTube
http://youtu.be/-uQv6blO350



#外部リンク
Games that use Theora - XiphWiki
http://wiki.xiph.org/Games_that_use_Theora

Games that use Vorbis - XiphWiki
http://wiki.xiph.org/Games_that_use_Vorbis

TheoraPlay
http://icculus.org/theoraplay/

Dog days are over.
http://icculus.org/cgi-bin/finger/finger.pl?user=icculus&date=2012-01-02&time=03-11-15

ScummVM - Wikipedia
ScummVM - Wikipedia

Scaleform - Features - Video / IME | Autodesk Gameware
http://gameware.autodesk.com/scaleform/features/videoime

Bink Video!
http://www.radgametools.com/jp/bnkmain.htm

Synology Inc. ネットワーク接続ストレージ (NAS) - 新しいNASの使用感
http://www.synology.com/index.php?lang=jpn

自分専用のクラウドとして活用する - Synology Inc. ネットワーク接続ストレージ (NAS) - 新しいNASの使用感
http://www.synology.com/support/video_your_cloud.php?lang=jpn

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: Theoraってどうなるの?
http://blog.minawa.net/2010/05/theora.html

2012/08/07

OpusとG.711がWebRTCがMTIコーデックに内定

おめでたいニュースをもう一つ。個人的に注目している万能オーディオコーデックである「Opus」が、WebRTCのMTI(Mandatory To Implement)Codec に内定したそうです。MTIというのは日本語にすると「必須」といった感じですかね? とにかくWebRTCで最低限必要なオーディオコーデックに選ばれたという事でしょうか:-P タイトルにもある通り、このOpusともう一つ、「G.711」もMTIコーデックに選ばれているようです。

詳しい内容は外部リンク先にあるPDFを参照して下さい。いくつかあったコーデックから2つを選んだみたいですね。他の候補は性能的には良くとも「ロイヤリティフリー」ではない事が大きなマイナスポイントだったようです。逆にG.711の場合は、性能的にはそれ程でも無いですが、高い普及率と低負荷、そして特許切れによるロイヤリティフリー化が大きな決め手なようです。Opusの場合、性能も十分ですし、元からロイヤリティフリーで設計されていますからね。まぁパテントトロールが攻撃してくる可能性は多少ありますけど:-(

ちなみにビデオコーデックについては、残念ながらまだ決着していないようです。候補としては「VP8」と「H.264」といった感じでしょうか? オーディオコーデックの例に倣うなら、「ロイヤリティフリー」であるVP8が選ばれる可能性が高いですが、残念ながら性能、普及率ともにH.264が優っていますからね……。パテント問題も解決しているとは言えませんし……。

個人的意見としては、VP8のパテント問題は結局大した議論になっていない気がしますけど。ぶっちゃけFUD気味? まぁ水面下で動きがあるのかもしれませんが……。それに、後からパテント問題が浮上するとしても、既にパテントが発生するのが確実であるH.264よりも結果的には安全な気がしますけどね。パテントに引っ掛かっていたとしてもH.264よりも該当する数は少ないでしょうし。オープンソースとは名乗れなくなるかもですが:-(

まぁVP8の場合、単純にH.264よりも実装がこなれていないという問題があるとは思いますけども。少なくとも性能でx.264の7割くらいはキープして貰いたいところです。エンコード速度や画質、サイズ面等で……。というか、最近のVP8ってどんなもんなんですかね……。「libvpx」の他にx264改変の「xvp8」っていうのも開発中ではあるらしいのですが……。余談ですがMPEG2向けの「x262」っていうのも開発中なんですよね。

#外部リンク
Opus Audio Codec
http://opus-codec.org/

WebRTC
https://sites.google.com/site/webrtc/

Jean-Marc Valin's random rants on DSP, Speex, open-source - Opus will be mandatory to implement for WebRTC
http://jmspeex.livejournal.com/11042.html

Mandatory To Implement Audio Codec Selection(PDF)
http://www.ietf.org/proceedings/84/slides/slides-84-rtcweb-6.pdf

The WebM Project | Welcome to the WebM Project
http://www.webmproject.org/

DarkShikari/xvp8 · GitHub
https://github.com/DarkShikari/xvp8

kierank/x262 · GitHub
https://github.com/kierank/x262

OpenGL 4.3 & OpenGL ES 3.0 & Khronos ASTC 発表!

いやいや、何というタイミング! 昨日書いた駄文の中でオープンソースGPUドライバーの欠点? だと自分で思っているテクスチャー圧縮技術「S3TC(DXTC)」問題ですが、一気に解決されるかもしれません:-P

というのも、現在開催中の「SIGGRAPH 2012」で、OpenGLの最新版「OpenGL 4.3」と、そのサブセットである「OpenGL ES 3.0」が早速お披露目されたのですが、ついでに「ASTC」というのもお披露目されたらしいのです。

名前からして期待出来ますが、Phoronixの記事を読むと、そのものズバリのテクスチャー圧縮技術で、しかも「ロイヤリティフリー」! 使用用途はDirectXの「S3TC(DXTC)」とほぼ同じみたいですね。記事中で以下のようなUnity3D(といってもUbuntuじゃないですよ:-P)の開発者のコメントが掲載されていました。
A Unity 3D engine developer says ASTC is "awesome!" and its texture compression is higher quality and lower bitrate than "any exisiting compression format", which does mean then it would be able to kick the ass of S3 Texture Compression.
素晴らしい! まさに奇跡的タイミングです。……個人的にはですけど。続いて以下のようにも書かれていますね。
S3TC has been trouble for open-source Linux graphics drivers since it can't be integrated into Mesa and turned on by default over patent fears.
こちらは昨日私が書いたようなS3TC問題ですね。上手くすれば、ASTCがオープンソースGPUドライバーの(大きな)欠点の一つを解決してくれるかもしれませんね。まぁ現行世代のGPUに実装出来るのかとかは判りませんが、恐らく3年後くらいには何とかなりそう? 特にスマートフォン向けのSoCの陳腐化の速さを考慮すると、OpenGL ES系では普及してるかもしれませんね:-P 続報を待ちたいと思います。では。

#外部リンク
[Phoronix] Khronos ASTC: Royalty-Free Next-Gen Texture Compression
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=MTE1NDk

[Phoronix] OpenGL 4.3, OpenGL ES 3.0 Specifications Unveiled
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=MTE1NTA

ARM Unveils Details of ASTC Texture Compression at HPG Conference - Part 1 - ARM Community
http://blogs.arm.com/multimedia/754-arm-unveils-details-of-astc-texture-compression-at-hpg-conference-part-1/

ASTC Texture Compression: ARM Pushes the Envelope in Graphics Technology - ARM Community
http://blogs.arm.com/multimedia/643-astc-texture-compression-arm-pushes-the-envelope-in-graphics-technology/

AnandTech - Khronos Announces OpenGL ES 3.0, OpenGL 4.3, ASTC Texture Compression, & CLU
http://www.anandtech.com/show/6134/khronos-announces-opengl-es-30-opengl-43-astc-texture-compression-clu

2012/08/05

オープンソースGPUドライバーの問題点?

ValveのLinux参戦で(一部で)盛り上がって来ているゲーム環境としてLinuxデスクトップですが、残念ながら問題も山積みなんですよね。先日行われた恒例の「QuakeCon 2012」の中でジョン・カーマック氏がValveのLinux対応について幾分否定的な言及をしたようです。

このブログで何回か書きましたが、ジョン・カーマック氏率いる「iD Software」はゲーム企業の中でも、かなりLinuxフレンドリーな企業で、Linux対応のオープンソースなFPSの大半が、彼らのゲームエンジン「iD Tech」の流れを汲むエンジンを使用している事からも判ると思います。

そのカーマック氏曰く、Linuxはゲームのプラットホームとしては未成熟であり、新規参入しても利益が出る段階ではないとの考え方みたいです。
"Valve announcing Steam Linux support changes things a bit but we have made two forays into Linux commercial market, most recently with Quake Live client but that platform just hasn't carried its weight compared to Mac."

"Its great that people are enthusiastic about Linux as a gaming platform but there are not many people who are interested in paying for a game and that seems to be the reality."
カーマック氏としては、以前に発売したLinux向けのゲームの売れ行きの悪さが気になっているようですね。特にかなり力を入れて開発した「Quake Live」のLinuxユーザーの食い付きの悪さが相当気に入らないみたいです:-( この話は以前もチラッと書いたんですが、正直言って現状のFPSユーザーからしたら、Quake3タイプのゲームは初心者が入り込みにくいんですよね。かくいう私も苦手ですし。

本質的にLinuxユーザーがソフトウェアをお金を払って購入するという事自体に抵抗があるのは事実だと思います。ただ、これからはライトユーザーが増えてくる(かも)しれませんし、現実として「Humble Bundle」のような「pay what you want and help charity」形式のゲーム販売では、多くのLinuxユーザーもお金を出して購入していますし、OS毎の購入額でも一番高かったりしていますし。まぁこれは大口購入者の金額が影響している可能性もあるかなとは思いますが……。

それにSteamのマルチプラットホーム戦略として、恐らく各OS対応版を別個購入する必要はないと思いますし。Linux版がどうなるのかは、まだ発表されていませんが、少なくともMac版はWin版と区別されていませんしね。まぁカーマック氏も一概に未来がないとは思っていないみたいですけど。例えば、以下のようにもコメントしていますし。
"It is an enticing thought that there is a well supported open platform that you can deliver content through the Steam ecosystem, but its a tough sell on. But Valve gets a huge kudos for the vision they have."

"One things that speaks in favor of Linux and open source is that Integrated graphics part is getting better and better. Intel has been completely supportive of open source graphic driver efforts."

"If I had time, I would love to work on optimizing Intel open source drivers."
以前、他のインタビューでカーマック氏は、AMDのAPUについても言及しており、これからはPCのゲームについても、APUのような統合型MBが主流になってくるのではないかと語っていました。うろ覚えですけど:-(

またIntelのオープンソース型開発も高く評価しているようですね。以前ツイッターでもIntelのGPUについて評価していましたし。今回のコメントでは、自らもGPUドライバーの改善に協力するかも知れないと語っていますしね:-P まぁ実際には時間が無いでしょうけど……。

そんな感じで、IntelのオープンソースGPUドライバーは、かなり期待出来る開発体制へと進化しているのですが、話はそう簡単には行かないみたいなんですよね……。ここでようやく本題に入ります。

一見、何の問題も無さそうなオープンソース型開発手法ですが、実はオープンソースならではの問題も山積しているようです。例えばパテント問題。この問題はGPU以外にもマルチメディア系コーデックで何回も問題になっていたりします。

GIFやMP3、最近ではAACやH.264といった主要コーデックです。例えばMP3エンコーダーのオープンソース開発である「LAME(レイム)」や、H.264エンコーダーである「x264」等は、開発手法自体はオープンソースですが、実際に使用する際は、各技術に使われているアルゴリズム等のパテントに引っ掛ってしまいます。

GPU開発に置いても、基本的なテクスチャー圧縮技術である「S3TC(DXTC)」が、パテント問題に引っ掛ってしまい、オープンソースな開発体制であるIntelのGPUドライバーには実装する事が出来ない? らしいのです。私も詳しくないので、もしかしたら全く的外れな事を書いているのかもしれません。その場合はご容赦下さい:-(

上記のMP3やH.264の場合、問題を解決する為にオープンソースな代替コーデックの使用を推奨する等の対抗策があります。GIFであれば「PNG」、MP3であれば「Ogg Vorbis」、H.264であれば「VP8」等々。他にもパテント対象のアルゴリズム以外を実装する等がありますが、そう簡単にいかないのも事実ですしね。幸いGIF等は対象パテントが期限切れになっていますので、現在では問題なく使う事ができますけど。

マルチメディアのコーデックの場合、代替となるコーデックに切り替えれば問題はそう無いのですが、ハードウェアなGPUの場合、そう簡単に基本となる技術を取り替えるなんて事は出来ませんので、代替技術を用意して、それを推奨するというのも現実問題としては難しいと思います。

一応、S3TCのオープンソース代替技術として「S2TC」というものの開発も進んではいるのですが、正直、S3TCの完全な代替となるのは(現時点では)難しいみたいですし:-( このS3TC問題をPhoronixの中の人がValveのゲイブ氏と対談した際に話したところ、ゲイブ氏はたいそう驚いたそうです。そして使い勝手のいいオープンソースな代替技術を何とかしたいと思っているようです。……多分:-P

S2TCとは少し違うのですが、Valveの中の人が「crunch」というオープンソースなテクスチャー圧縮技術を開発しているのですが、このcrunchも、元NVIDIAの技術者からパテント侵害で警告されたらしいです。crunchについては、話し合いで何とかなりそうな感じですけど、なかなか難しい問題ですよね……。ちなみにcrunchはS3TCの代替といったモノではないので、今回の本質的解決には関係していません。

このS3TCですが、結構古い技術なのでパテント的には、もう切れてるんじゃないかという意見もあるそうですが、実際としては、あと数年は完全にクリーンな技術としては使えないのではないかとの意見が大勢みたいです。

実際、このS3TCのパテントを保有していた「S3 Graphics」は、今現在でもMSやSONY、任天堂といった大手ゲーム機メーカーや、NVIDIA、AMDといったGPUメーカー、最近はスマートフォンメーカーからのパテント収入のみで食い繋いでいた状況ですし。この技術だけで数十億単位の収入が見込める訳ですからね。

また最近になって、Appleとの特許戦争により、HTCがS3 Graphicsを特許目当てで3億ドルで買収するという話題もありましたし。主な狙いはS3TCらしいですし、そう簡単にオープンソースで実装するような事態にはなりそうにないですしね……。唯一の救いはHTCがAndroid陣営側だって事でしょうか……。もしもAppleだったら……。

ちなみにLinuxにおいても、NVIDIAやAMDのプロプライエタリなGPUドライバーでは使用可能なので一般的なユーザーからしたら、そう問題になる事は無いと思います。ただオープンソースな開発体制では、いつまでたってもプロプライエタリなドライバーとの性能差は縮まらないという事にもなり得ますしね……。

このS3TCのような基本的な技術があとどのくらいあるのか、私には判りませんが、パテント問題は根が深すぎて考えるのすら恐ろしくなります……。何とか良い解決策が見つかるといいのですけど:-(

最後になりますが、いつもにもまして信ぴょう性のある内容なのかは自信がありません。私は技術者でもないし、知識もネットで調べた程度の素人です。ていうか、ただのおっさんです。デタラメな可能性が大ですので、あんまり鵜呑みにしないで下さい。あしからず。

#YouTube
QuakeCon 2012 - John Carmack Keynote - YouTube
http://youtu.be/wt-iVFxgFWk



#追記
今回のカーマック氏のコメントで、極一部は非難しているみたいですが、大半のLinuxユーザーはカーマック氏に絶大な信頼を寄せているのは間違いないです:-P 例えば、こんなツイートもありますし。

#Tweet


#外部リンク
[Phoronix] id Software: Linux Hasn't Produced Positive Results
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=MTE1NDA

[Phoronix] Ex-NVIDIA Engineer Patent Issue With Open-Source
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=MTE0Njg

[Phoronix] S2TC: A Possible Workaround For The S3TC Patent Situation
http://www.phoronix.com/scan.php?page=article&item=s2tc_s3tc_fix&num=1

[Phoronix] The S3TC Patent Might Be Invalid
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=OTkxMQ

[Phoronix] S3TC Now Golden For Linux & Open-Source?
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=MTAxNDE

[Phoronix] HTC Is Buying Out S3 Graphics
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=OTYzOQ

HTC、S3をVIAから買収 | スラッシュドット・ジャパン モバイル
HTC、S3をVIAから買収 | スラッシュドット・ジャパン モバイル

HTC、GPU技術のS3 GraphicsをVIAより買収 - 対Apple訴訟にも影響か | 経営 | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/news/2011/07/07/074/

S3 Graphics - News
http://www.s3graphics.com/en/news/news_detail.aspx?id=47

USNews 任天堂、次世代家庭用ゲーム機にS3のデータ圧縮技術を採用 - ニュース - nikkei BPnet
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/083/83489.html

DXTC - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/DXTC

S2TC - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/S2TC

S2TC - Super Simple Texture Compression · divVerent/s2tc Wiki · GitHub
https://github.com/divVerent/s2tc/wiki

crunch - Advanced DXT texture compression and real-time transcoding library - Google Project Hosting
http://code.google.com/p/crunch/

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: Electronic Artsの発表って、コレ? と、おまけ情報
http://blog.minawa.net/2012/05/electronic-arts.html

BLOG.MINAWA.NET: Xiph + Matroska + Google = WebM
http://blog.minawa.net/2010/05/xiph-matroska-google-webm.html

BLOG.MINAWA.NET: MPEGがロイヤリティフリーのビデオコーデックを計画中?
http://blog.minawa.net/2011/02/mpeg.html

BLOG.MINAWA.NET: MPEGによるロイヤリティーフリービデオコーデック、ふたたび?
http://blog.minawa.net/2011/12/mpeg.html

BLOG.MINAWA.NET: CELT + SILK = Opus
http://blog.minawa.net/2011/01/celt-silk-opus.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam Box の謎 その3
http://blog.minawa.net/2012/03/steam-box-3.html

SteamのLinuxクライアント開発は順調らしい

先日、発表されたValveのSteamプラットホームのLinux対応ですが、公式ブログで経過発表が行われたようです。現在のテスト対象は以下の構成なようです。
Hardware
Intel Core i7 3930k
NVIDIA GeForce GTX 680
32 GB RAM

Software
Windows 7 Service Pack 1 64-bit
Left 4 Dead 2
Ubuntu 12.04 32-bit
以前伝えられた通り、IntelのCPUとNVIDIAのディスクリートGPUの構成みたいですね。とはいっても、AMDやIntelといった構成でもテストしているそうですけど。その構成で「Left 4 Dead 2」をプレイした際の各FPSの値が以下のようになったそうです。ちなみに解像度は「1280 x 1024」だそうです。
Windows(Direct3D) 270.6 FPS
Windows(OpenGL) 303.4 FPS
Ubuntu(OpenGL) 315 FPS
何とUbuntuのOpenGLが315 FPSと一番速く、ついでWindowsでのOpenGLが303 FPSと二番目に速かったそうです:-P 意外にもWindowsのDirect3Dが270 FPSと数値上では一番遅かったみたいです。これにはValveのLinuxチームも驚いたそうです。予想ではDirect3Dが一番速いだろうと思っていたそうなので……。

ちなみに一番最初にUbuntuのOpenGLへ移植した際のFPSは「6 FPS」だったようです。まぁ移植というのは速さよりも正確さ、安定さが第一ですからね。彼らもまずは安定動作するようになった段階で、具体的なスピードアップのチューニングを始めたそうです。具体的なチューニング方法ですが、大雑把に分けて以下の3つを行ったそうです。
Modifying our game to work better with the kernel
Modifying our game to work better with OpenGL
Optimizing the graphics driver
まずはL4D2(Source Engine)のLinuxカーネルへの最適化。メモリ・アロケータ等の最適化らしいですが、正直素人の私にはよく理解出来てません。

2番目はL4D2(Source Engine)のOpenGLへの最適化。こちらも具体的には理解出来てませんが、様々なオーバーヘッドの低減やレンダラーの最適化等って事ですかね。いや、いい加減で申し訳ないですけど:-(

3番目はValve内での最適化ではなく、UbuntuのGPUドライバー自体の最適化みたいですね。具体的にはNVIDIA、AMD、そしてIntelといった各ベンダーとの話し合いですね。

NVIDIAとAMDのドライバーは残念ながらプロプライエタリなドライバーが当面の目標なので具体的な改良点は判りませんが、Intelだけは完全にオープンソースな開発なので、どのような話し合いが行われ、具体的にはどの辺りを最適化していくかといった情報が既に公開されています。

話によるとPhoronixの中の人が、ValveとIntelのオープンソースGPU担当の中の人同士を取り持ったらしいです。それまでValveとIntelは、そこまで親しい間柄ではなかったそうです。まぁValveのゲームを遊ぶ場合、Intelの内蔵GPUじゃ快適に遊べる訳じゃないですからね……。ただ、今回の会談の際に、何とValveの中の人がIntelの中の人にL4D2のソースコードそのものを渡して、最適化に役立てて貰ったらしいです。詳しくは判りませんが、NDA等の細かい指定は無かったらしい? いやぁなかなか大胆ですなぁ:-P

既にその成果物である改良点がIntelのオープンソースドライバーにコミットされてきているというから素晴らしい限りです。確かに現状のIntelの統合GPUじゃ快適に遊べる段階では無いでしょうが、最近のIntelは、CPUよりもGPUの強化へと方向性を変えてきているらしいので、あと2世代くらいすれば快適にValveのゲームならば遊べるようになるかもしれませんね:-P

ちなみにNVIDIAのオープンソースGPUドライバーである「Noveau」の開発者ともPhoronixの中の人経由で話をしたそうですが、特に資金援助等は必要としておらず、欲しいものとすれば、NVIDIAからの詳細なドキュメントくらいなので、取り敢えずValveがNVIDIAのケツを引っ叩いてと伝えたそうです:-P

Noveauの中の人の話だと「別にお金の為に開発している訳じゃないし、現状欲しい情報も電源管理部分のドキュメントくらいだしなぁ」との事です。特にNDA無しでの情報開示が一番ありがたいそうです。とにかくNVIDIAはNDAが厳しいらしいので……。

他の情報としては、Linux版とWindows版では、描画のクオリティに差は(ほとんど)無いらしいです。以前のMac版では多少の差があった(ある?)らしいですけど。他には仕様しているOpenGLのバージョンは「3.x」。正直、OpenGL 4.x系はまだ早いですしねぇ。というか、WindowsのDirect3D自体が9世代ですし。そして、一番重要そうな情報が以下の点ですかね……。
We use a modified abstraction layer (based on the original Mac OS X work) that translates Direct3D calls to the proper OpenGL calls. This layer has received the most work but changes have also been made above this layer that resulted in improved performance.
よく理解していませんが、やはり以前の情報にあったように、基本はDirect3Dで、何らかの「変換層」を使用してOpenGLに対応している? みたいですね。以前の話では、Wineのようなラッパーかと思いましたが、どうやらDirect3D部分をOpenGLに変換する部分だけみたい?

合っているのか判りませんが、既に「MojoShader」というモノが存在しており、これに近いのかなぁなんて思っているのですが、もしかしたら全然違うモノなのかも知れません……。ちなみにMojoShaderの説明は以下の通り。
MojoShader is a library to work with Direct3D shaders on alternate 3D APIs and non-Windows platforms. The primary motivation is moving shaders to OpenGL languages on the fly. The developer deals with "profiles" that represent various target languages, such as GLSL or ARB_*_program.
このMojoShaderは、ブログで何回か取り上げている凄腕のプログラマー「Ryan C. Gordon」氏が、かつてEpicの「Unreal Tournament 3」をLinuxへ移植する際に開発したシロモノで、2008年にオープンソースソフトウェアとして公開されたモノらしいです。

残念ながら、諸般の事情の為にUnreal Tournament 3のLinux移植は未公開のままですが、他にも以下のようなゲーム等で使われているそうです。
Unreal Tournament 3 uses MojoShader with its OpenGL renderer.
Killing Floor uses MojoShader for OpenGL motion blur and bloom effects.
Unity uses MojoShader's preprocessor on their HLSL code before passing it to Cg.
Super Meat Boy uses MojoShader for its Linux port.
Shank uses MojoShader on Mac and Linux to support Effect Framework files.
This benchmark uses MojoShader's assembler to test the benefits of offline compiling of shaders.
Psychonauts uses MojoShader on Mac and Linux, flexing its support for Shader Model 1.
多くはRyan氏が手掛けた「Humble Indie Bundle」のゲームに使用されていますが、いま話題の「Unity」にも使用されるなど、実力は折り紙付きなようです。

Valveが使用しているラッパーとMojoShaderが同じなのかは判りませんが、似たようなコンセプトなような気が、個人的にはしています。

長くなったので、あともう一つだけ書いて終わりますが、今回のLinux移植についての詳細は、近々開催される「SIGGRAPH 2012」で発表されるらしいです。他にも、OpenGLの新板「OpenGL 4.3」やiPhone、Android等で使われているOpenGL ESの新板「OpenGL ES 3.0」等がお披露目されるらしいので、こちらも見逃せない内容になりそうです:-P

あ、最後にもう一つ。以前チラッと書いた「Serious Sam 3」のLinux対応ですが、どうやら本当だったみたいですね。我ながら、なかなかの情報通っぷりですわ:-P

#外部リンク
Faster Zombies! | Valve
http://blogs.valvesoftware.com/linux/faster-zombies/

The zombies cometh...
http://www.paranormal-entertainment.com/idr/blog/posts/2012-07-19T18:54:37Z-The_zombies_cometh/

MojoShader
http://icculus.org/mojoshader/

SIGGRAPH 2012
http://s2012.siggraph.org/

Croteam - Get Serious!
http://croteam.com/

[Phoronix] Valve's L4D2 Is Faster On Linux Than Windows
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=MTE1MjI

[Phoronix] Valve & Intel Work On Open-Source GPU Drivers
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=MTE0NDE

[Phoronix] One Week To SIGGRAPH OpenGL Announcements
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=MTE0OTI

[Phoronix] Serious Sam 3 Will Be On Steam For Linux
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=MTE0NjM

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: Steam Box の謎 その2
http://blog.minawa.net/2012/03/steam-box-2.html

BLOG.MINAWA.NET: Linux版Steamのその後
http://blog.minawa.net/2012/04/linuxsteam_22.html

BLOG.MINAWA.NET: Electronic Artsの発表って、コレ? と、おまけ情報
http://blog.minawa.net/2012/05/electronic-arts.html

BLOG.MINAWA.NET: ValveがLinux版Steamを正式にアナウンス
http://blog.minawa.net/2012/07/valvelinuxsteam.html

2012/07/31

OUYAとスクエアエニックスが提携

7月最後の夜も相変わらず暑いですねぇ。いつも通り、ネットを巡回していたら面白そうなニュースが目に入ってきました。タイトルに書きましたが、巷で噂の低価格なAndroidベースの据え置き型ゲーム機「OUYA」が、あのスクエアエニックスと提携してゲームを配信するらしいです。日本人からすると、結構驚くニュースですね:-P

OUYAというのは、最近話題のクラウドファウンディングサービス「Kickstarter」で560万ドル超という驚異的な資金調達に成功した新興のプロジェクトみたいですね。名前と何となくの事業内容は把握していましたが、スクエアエニックスとの提携なんていう具体的な話まで出てくると、俄然真実味が増してきますね。

先日のSONYによる「GAIKAI」の買収話や、ChromeOSのGAIKAIクライアントのデモとかを見てると、夢物語でしかなかったクラウドゲーム配信も、一気に現実味が出てきた気もします。まぁOUYAのスクエアエニックスがクラウド型なのか知りませんけども。

現在、公表されているOUYA自体のハードウェアスペックはTegra 3と1GB RAMとOSにAndroid 4.x系というゲーム機というより、Googleの「Nexus 7」に代表される現行タブレットに近い構成ですが、それが幸いしてゲームタイトル数だけは結構揃うかもしれませんね。

全部が全部大作である必要も無いわけですし。上手く流れに乗ればWii的な位置に収まる可能性が無きにしもあらず? だったりして:-P まぁまだ何とも言えませんけど、詳細が気になるニュースではありますね。

#追記
しかし99ドルっていうのは安いですねぇ。おっさんの感覚からすると100ドルで1万円くらいな感覚なんですが、実際のレートだと8千円切ってますからねぇ。

てか、スクエニの公式発表見ると、OUYAって日本進出決まってるんですかね? だとするといくらになるんだろう? 1万円っぽいけど、ここで8千円だったら、結構良いスタート切れそう:-P アマゾンで独占販売とか。

#YouTube
OUYA Demo - YouTube
http://youtu.be/VaUlyghHpOA



#外部リンク
OUYA: A New Kind of Video Game Console by OUYA — Kickstarter
http://www.kickstarter.com/projects/ouya/ouya-a-new-kind-of-video-game-console

スクウェア・エニックス、新ゲームプラットフォーム「OUYA」向けに「ファイナルファンタジーIII」を提供
http://www.square-enix.com/jp/company/j/news/2012/html/a6d0b1becc688061928fe5b03e30c1c7.html

Ouya - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Ouya

スクエニ、新ゲームプラットフォーム「OUYA」向けに「FFIII」を配信へ - CNET Japan
http://japan.cnet.com/entertainment/35019867/

4Gamer.net ― 99ドルの新型コンシューマ機「Ouya」。クラウドゲームサービスの「OnLive」をネイティブでサポート
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20120731080/

オープンゲーム機 OUYAが OnLive クラウドゲームに対応、出資は560万ドル超 - Engadget Japanese
http://japanese.engadget.com/2012/07/27/ouya-onlive-560/

2012/07/30

The Humble Music Bundle 購入してみた

この前に紹介した「The Humble Music Bundle」ですが、早速購入してみました。Humble Bundle自体は今までも結構購入しているので、買い方等は特に問題は無かったんですけど。ついでなのでスクリーンショット付き:-P

購入後の手続きですが、以前はメールが届いて、ファイルの在り処を記したリンクから特設サイトに移動する形だったのですが、いつの間にかHumble Bundle専用のログインサイトが出来てました。メールアドレスを登録すると、今までそのメールアドレスで購入したHumble Bundleを一括で管理出来るようになったみたいです。なかなか便利です。出来れば、メールアドレスの変更等も出来るようになると良いんですけどね。

ファイルのダウンロードは、いつもなら直接DLか前回から導入されたUbuntuのソフトウェアセンター経由でDLしていたのですが、今回はビットトレント経由でDLしてみました。正直、スピードは直接DLの半分くらいしか出ませんでしたが、帯域の節約には多少貢献したのかな? 大きいファイルはリジュームが効くビットトレントの方がいい場合もあるかもしれませんしね:-P

いやぁなかなか進歩的な管理方法ですな。これからはビットトレントの正規利用が増えてくると良いのですけどね。10月以降の日本だと色々と面倒くさい事になっちゃいそうですけど:-(

音楽ファイルですが、今回はFLACを選択しました。ちなみにMP3も選択可能です。FLACはロスレス音源なので、自分の好みのコーデックとビットレートでエンコード可能ですからね。例えばOgg Vorbisとか:-P

普通の人ならiTunesとかで管理した方が良いのでしょうが、私は古い人間なので、どうもiTunes的な管理方法&プレイヤーが馴染まないんですよね……。食わず嫌いなだけなのかも知れませんけど。

「The Humble Music Bundle」や「GOG.com」みたいなDRMフリーで、FLACによるダウンロードを認めてくれる所がこれから増えてくれると個人的には嬉しいです。GOG.comは音楽というよりゲームですけど。


#Picasa
こんな感じの専用サイトが用意されてました。


ビットトレント良いですね:-P


こんな感じでジャケットも添付されていました。




最近、愛用しているAudaciousでの様子。


どうやらジャケットが埋め込まれているファイルのようですね。MP3ファイルも同様でした。



#外部リンク
The Humble Music Bundle (pay what you want and help charity)
http://www.humblebundle.com/

Audacious - An Advanced Audio Player
http://audacious-media-player.org/

2012/07/28

The Humble Music Bundle

いやぁ相変わらず暑いですなぁ。まだ7月ですよ……。と、前置きはそのくらいで本題へ。インディーズゲームのチャリティ企画で有名な「Humble Bundle」が、新しい企画をスタートさせたようです。

その名も「The Humble Music Bundle」。名前から判る通り、ゲームじゃなくて音楽のバンドル企画ですね。基本的にはHumble Bundleと同じみたいです。

特徴としては、「DRMフリー」「FLAC(ロスレス)&MP3」「チャリティ」て感じでしょうか。あぁ、勿論、自分の払いたい額での購入が可能です:-P

今回も平均購入額を上回れば、もう一つアルバムをゲットする事が可能なようです。今だと8.10ドル以上ですね。後はゲームのバンドルの時にあったような、1ドル以上でSteamキーの発行みたいなのは無いようですね。当たり前ですけど。

一応、出だし部分だけ試聴出来るので、一通り試して見ましたが、結構いい感じの楽曲が多かったです。なんと日本のアーティストの楽曲も入ってますし:-P 

Hitoshi Sakimoto(崎元 仁)氏の「戦場のヴァルキュリア サウンドトラック」みたいですね。ゲームはやった事は無いですが、名前は聞いたことがあります。

こういう画期的な企画に日本人アーティストも参加しているというのは、同じ日本人として嬉しいですね。残念ながら、日本の音楽を取り巻く状況は、あらゆる意味で悪い方向へと向かっている気がしますけど……。

今回の企画とは違いますが、ドラマ版「孤独のグルメ」のサントラは「全曲著作権フリー」という太っ腹な例もありますし:-P 少ないながらも、こういった試みが続いてくれると嬉しいのですけどね。

#追記
Humble Music Bundleでググったら、Christopher Tin氏の2曲目の日本語で歌っている歌手は、あの「AIR」の「鳥の詩」を歌っている「Lia」さんみたいですね:-P 素晴らしい。

他にもValveの有名ゲーム「Portal」のテーマソング「Still Alive」「Want You Gone」なんかも入ってるし、買いですね。

#YouTube
The Humble Music Bundle - YouTube
http://youtu.be/FWCLwdgloCo



Civilization IVのテーマソングだったんですね。知らなかったけど、素晴らしい。
Christopher Tin - Baba Yetu (Official Music Video) - YouTube
http://youtu.be/IJiHDmyhE1A



#Tweet


#外部リンク
The Humble Music Bundle (pay what you want and help charity)
http://www.humblebundle.com/

「孤独のグルメ」サントラは「全曲著作権フリー」 作者・久住さん「どうぞお使いください」 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1205/23/news085.html

2012/07/23

最近のOpus Codec 事情

ここ数日、急に気温が下がりましたね。少し肌寒さすら感じます。まぁまた直ぐに元通りになりそうですけどね:-(

さて、個人的に追いかけている万能オーディオコーデックである「Opus Codec」ですが、標準化が決まり、だいぶ勢いづいてきたようです。

一番大きいニュースは、Firefoxですかね。先日、Firefox 14がリリースされたのに伴い、Opusを実装しているFirefox 15がベータ版まで降りてきました。最近のFirefoxは所謂「ラピッドリリース」と言われる高速なリリースサイクル(6週間)になっていますので、順調に行けば8月末には正式版としてリリースされそうです。

いやぁ、速いですね。ラピッドリリースについては賛否両論ありますが、私個人としては良い事だと思います。確かに拙速になるという不安はありますが、Firefoxの場合「ESR」という長期サポート版も用意されていますしね。ビジネスユーザー等はそちらを使うなどのやり方もあるでしょうし。何より、新しもの好きが多いですからね。Linuxユーザーというのは。ましてUbuntuだと、最新版の更新がメチャクチャ早くなってますし。今回の14も1日開かずに更新通知が来ましたし:-P

Firefoxについては、そんな感じで順調ですが、サーバー側の対応もかなり進んできているようです。以前も紹介した「Icecast 2」が早くも更新されて「2.4-beta」がリリースされています。主な更新内容を見てみると、以下なような感じです。
New features
Support for Ogg Opus streams
Support for WebM streams
そのものズバリですね:-P これでradiko(ラジコ)のようなインターネットラジオが、今まで以上にお手軽かつ高効率で配信可能になると思います。しかも、全てオープンソースソフトウェアで:-P 素晴らしい。

何と言っても、クライアントがFirefoxのようなウェブブラウザーでも可能なのが素晴らしい。まぁ今でも出来なくはないですけど……。

正直、詳しくはないのですが、例えばVPSやAmazon EC2なんかでIcecast2を動作させれば、かなりお手軽にストリーミングが出来ちゃいそうな気がします。帯域が逼迫してきても、スケール出来そうですし。まぁ今だとニコニコ動画の生放送やUstreamの方が人気がある気はしますけど。でも、楽しそうですよね。

ちなみにWebMの音声部分にVorbisの代わりにOpusを使えば良さそうと思うかも知れませんが、そう簡単には行かないようです:-( よく解りませんが、WebMのベースになっているMatroska(MKV)は、拡張性は高いですが、Opusのようなストリーミング系を扱うには、現状では適していないようなのです。

元々WebMには、Oggコンテナベースの方が向いているという意見も多かったのですが、何故かMatroskaが選ばれたようです。まぁ何となくですが、Googleが両コミュニティに花を持たせたかったのかも知れません。

確かにMatroskaはOggコンテナよりも拡張性が高く、実際に使用されている実績もあったので、おかしくは無いのですが、「WebM」という名前からも判る通り、インターネット上でのストリーミングも考慮に入れるべきフォーマットな気がしていたのですけどね。実際、拡張性はそんなに重視されてませんし(内包出来るコーデックが非常に限られている)、VP8はともかく、音声部分はVorbisな訳ですし。

脱線し過ぎました。偉そうに書いてますが、正直ストリーミングとか全然知識無いです:-( 私がOgg系(Xiph.Org)が好きだってだけの話ですし。

まぁいいや、そんな感じでOpusの活躍の場は、どんどんと広がって来ているみたいです。このまま行けば、来年には結構普及してくるかもしれませんね。WebRTC絡みでGoogleやMS? も対応してくると思いますし。ちなみにOPERAも12で対応し始めてるらしい? です。使ってないので判りませんけど。

後はAndroidとかFirefox OSなんかのモバイル系に期待ですかね。VoIPにも使えるコーデックなので是非とも対応を検討していただきたいものです:-P

#外部リンク
Icecast.org
http://icecast.org/

Firefox Beta 15 supports the new Opus audio format ✩ Mozilla Hacks – the Web developer blog
http://hacks.mozilla.org/2012/07/firefox-beta-15-supports-the-new-opus-audio-format/

Issue 453 - webm - Support Opus - an open web media project - Google Project Hosting
http://code.google.com/p/webm/issues/detail?id=453

[Matroska-devel] Opus audio codec
http://lists.matroska.org/pipermail/matroska-devel/2011-December/thread.html#4153

OggOpus - XiphWiki
https://wiki.xiph.org/OggOpus

MatroskaOpus - XiphWiki
https://wiki.xiph.org/MatroskaOpus

2012/07/18

ValveがLinux版Steamを正式にアナウンス

昨日の出来事で一番驚いたのはギャバンの映画化なのですが、二番目に驚いたのがコレです:-P いやぁ、長かったですなぁ。以前から噂レベルでは言われていましたが、一向にValveからのアナウンスが無いので、もしかしたら嘘なのかもと思わなくもなかったりしてましたし。

ちょっと自慢話になりますが、正直、SteamのLinux対応のネタは、かなり早い段階で考察してましたからね。我ながら、なかなかいい読みだったと思います:-P

今回のLinux対応に関連してか、オープンソースに関わり合いのある有名プログラマーが数名Valveに入社しているみたいですね。例えば、Nexuizのゲームエンジンである「DarkPlaces」のメイン開発者である「LordHavoc」氏や元グーグルのエンジニアで、有名なOSSゲーム「Battle for Wesnoth」の創設メンバーである「David White」氏、更には、伝説的なゲーム会社「Loki Software」出身で、超有名ライブラリー「SDL」や「OpenAL」等の開発を行なっていた「Sam Lantinga」氏等々、そうそうたる顔ぶれですね。

特にSam Lantinga氏は、長年Blizzardに所属した後に元MLBのスター選手カート・シリング氏の立ち上げた「38 Studios」に参加したばかりだったのですが、つい最近38 Studiosが倒産してしまいましたからね。そういう意味では、良いタイミングだったのかもしれません。

他にも、元マイクロソフトの幹部やハードウェア開発者等、バラエティ豊かなメンバーが集結してきているようです。そうなると、やはり「Steam Box」の噂も現実のものになるのかも知れませんね……。まぁ当分先でしょうけど。

先日、GoogleのChrome OS搭載のデスクトップ「Chrome Box」が発表され、その中でソニーが買収した「Gaikai」を「Native Client」を使って動作させるデモを行ったばかりですし、ゲーム機器に必要なジョイスティック等のサポートもChromeで始まりましたからね。Valveもウカウカしていられないのは確かだと思います。

#YouTube
Gaikai at Google I/O -- Captured from Live Google I/O Keynote Stream -- June 28, 2012 - YouTube
http://youtu.be/JbMF-X08etY



#外部リンク
Steam’d Penguins | Valve
http://blogs.valvesoftware.com/linux/steamd-penguins/

Valve Games and Steam on Ubuntu 12.04 « Canonical Blog
http://blog.canonical.com/2012/07/17/valve-games-and-steam-on-ubuntu-12-04/

[Phoronix] Valve Picks Up Another All-Star Linux Developer
http://www.phoronix.com/scan.php?page=article&item=valve_linux_sdl&num=1

Chromebox
https://www.google.com/intl/en/chrome/devices/chromebox.html

「Gaikai」がGoogleのNaClを利用しChrome上で動作する“Bulletstorm”のライブデモを上演 « doope! 国内外のゲーム情報総合サイト
http://doope.jp/2012/0723469.html

ChromeでWebゲーム操作が容易に - DevチャンネルにゲームパッドAPIを導入 | エンタープライズ | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/news/2012/06/04/005/index.html

『Kingdoms of Amalur』の38 Studiosで全社員がレイオフ、Big Hugeも閉鎖か - Game*Spark
http://gs.inside-games.jp/news/336/33630.html

Exploring the Galaxy: 38 Studios Coda
http://slouken.blogspot.jp/2012/06/38-studios-coda.html

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: SDL 1.3はライセンスが変更?
http://blog.minawa.net/2011/04/sdl-13.html

BLOG.MINAWA.NET: Steamのベータ版
http://blog.minawa.net/2010/02/steam.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam & Source on the Macについて
http://blog.minawa.net/2010/03/steam-source-on-mac.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam & Source on the Linuxの可能性
http://blog.minawa.net/2010/03/steam-source-on-linux.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam & Source on the Linuxの可能性 #02
http://blog.minawa.net/2010/03/steam-source-on-linux-02.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam & Source on the Linuxの可能性 #03
http://blog.minawa.net/2010/03/steam-source-on-linux-03.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam & Source on the Linuxの可能性 #04
http://blog.minawa.net/2010/03/steam-source-on-linux-04.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam & Source on the Linuxの可能性 #05
http://blog.minawa.net/2010/03/steam-source-on-linux-05.html

BLOG.MINAWA.NET: OnLive
http://blog.minawa.net/2010/03/onlive.html

BLOG.MINAWA.NET: AmazonがGame業界に進出?
http://blog.minawa.net/2010/03/amazongame.html

BLOG.MINAWA.NET: Almost Native Graphics Layer Engine(ANGLE)
http://blog.minawa.net/2010/03/almost-native-graphics-layer.html

BLOG.MINAWA.NET: Linux Steam Client
http://blog.minawa.net/2010/05/linux-steam-client.html

BLOG.MINAWA.NET: SteamがLinuxベースのゲーム機を計画中? しかも……
http://blog.minawa.net/2011/05/steamlinux.html

BLOG.MINAWA.NET: SteamとFusion APUの可能性
http://blog.minawa.net/2011/05/steamfusion-apu.html

BLOG.MINAWA.NET: DesuraとLinux
http://blog.minawa.net/2011/06/desuralinux.html

BLOG.MINAWA.NET: EA(Electronic Arts)のデジタルゲーム配信サービス「Origin」
http://blog.minawa.net/2011/06/eaelectronic-artsorigin.html

BLOG.MINAWA.NET: Gameolith
http://blog.minawa.net/2011/07/gameolith.html

BLOG.MINAWA.NET: Desura Linux Beta を試す
http://blog.minawa.net/2011/10/desura-linux-beta.html

BLOG.MINAWA.NET: DosBoxとGOG.comのイイ関係
http://blog.minawa.net/2011/12/dosboxgogcom.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam Box の謎
http://blog.minawa.net/2012/03/steam-box.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam Box の謎 その2
http://blog.minawa.net/2012/03/steam-box-2.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam Box の謎 その3
http://blog.minawa.net/2012/03/steam-box-3.html

BLOG.MINAWA.NET: 予想的中?
http://blog.minawa.net/2012/03/blog-post_29.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam Box の謎 その4
http://blog.minawa.net/2012/03/steam-box-4.html

BLOG.MINAWA.NET: SteamのLinux対応は本当?
http://blog.minawa.net/2012/04/steamlinux.html

BLOG.MINAWA.NET: Linux版Steam続報!
http://blog.minawa.net/2012/04/linuxsteam.html

BLOG.MINAWA.NET: GOG.comがFallout無料キャンペーン実施中
http://blog.minawa.net/2012/04/gogcomfallout.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam Box の謎 その5
http://blog.minawa.net/2012/04/steam-box-5.html

BLOG.MINAWA.NET: Orbisの謎
http://blog.minawa.net/2012/04/orbis.html

BLOG.MINAWA.NET: Linux版Steamのその後
http://blog.minawa.net/2012/04/linuxsteam_22.html

BLOG.MINAWA.NET: Steam Box の謎 その6
http://blog.minawa.net/2012/04/steam-box-6.html