実はスタート初日に一度試してみたのですが、その際は動画の再生は可能でも日本語字幕が文字化けで全然使い物にならなかったりしていました。あれからだいぶ経ったのでそろそろ修正されたかなと思って再度試してみたのですが残念ながら前回と同じ結果でした。何とかならないかと思って軽く調べてみたら公式サイトに以下のような注意書きが……。
私は、Linuxを使用しています。なぜ文字化けするのですか?:-( 今までこのような解決法が存在したのかという衝撃を受けたのですが、まずは言われたとおりにMS Pゴシックを「一時的」にインストールしてみました。Linuxを常用している方ならご存知だと思いますが商用フォントの取り扱いは非常にシビアでライセンス的に言えば自分が所有しているWindowsからのコピーもグレイどころかブラックな領域なんですよね。
Linuxをご利用されております場合、弊社のサイトをご利用いただくにあたり、下記からお一つをインストールしていただく必要がございます。
ヒラギノ角ゴシック ProN(Mac)
メイリョウ(Windows 7)
MS Pゴシック
Osaka-Sans Serif
Sans Serif
今回は実験の為に一時的にインストールしましたけど。心情的にはこのようなやり方は非常に心苦しかったのですが一応やってみた訳です。その結果……「失敗」。やり方が悪かったのかもしれませんがインストール前と何も変わりませんでした。
この方法では、どちらにしろ万人に受け入れられる方法では無いので他のやり方を模索してみました。すると日本のUbuntuフォーラムにそのものズバリの質問が。要約すると以下のパッケージをインストールすれば大丈夫だとの事。
cmap-adobe-cns1 - CMaps for Adobe-CNS1結果からいうとビンゴ。ようやく日本語字幕が見られるようになりました。けど、何かフォントの品質が……。せっかくならもっと綺麗なフォントで番組を楽しみたい! ということで少々荒技ながら以下の方法に切り替え。まず上で書かれているパッケージですが全て入れても良いですが、私が試して見たところデフォルトで「cmap-adobe-japan1」はインストールされており他のcmapパッケージは敢えて入れなくとも大丈夫でした。入れておいて損は無いでしょうけど。
cmap-adobe-gb1 - CMaps for Adobe-GB1
cmap-adobe-japan1 - CMaps for Adobe-Japan1
cmap-adobe-japan2 - CMaps for Adobe-Japan2
ttf-kochi-mincho - Kochi Subst Mincho Japanese TrueType font without naga10
肝心なのは最後の「ttf-kochi-mincho」。このパッケージを入れるとHuluの日本語字幕が文字化けしなくなります。ちなみに「ttf-kochi-mincho-naga10」パッケージでも代用出来ます。ついでにこれらのフォントパッケージをインストールすると釣られて「ttf-sazanami-mincho」もインストールされてしまいますが、これは後からアンインストールしても問題ありませんでした。まぁ気にするほどでも無いですけど。
ここからが本番。apt-get installで「ttf-kochi-mincho」をインストールした後に、このフォントが収容されているディレクトリに移動します。ディレクトリパスは「/usr/share/fonts/truetype/kochi/」です。すると「kochi-mincho.ttf」と「kochi-mincho-subst.ttf」の2つのttfファイルが存在しています。
そのうち「kochi-mincho.ttf」は「kochi-mincho-subst.ttf」へのシンボリックリンクですので無視します。で、この「kochi-mincho-subst.ttf」を自分が好きなフォントと入れ替えちゃえばHuluの日本語字幕を好きなフォントで見る事が出来ちゃいます。具体的な例としては以下のような感じです。
$ sudo cp /usr/share/fonts/truetype/takao/TakaoPGothic.ttf /usr/share/fonts/truetype/kochi/kochi-mincho-subst.ttfこの例ではTakao Pゴシックに変更しています。これはUbunntuにインストールされているフォントの例ですが、別に用意したフォントでも大丈夫です。私はM+フォントとIPAフォントの合成フォントである「MigMixフォント」を使っています。最後にそれぞれのスクリーンショットを貼り付けておきますので参考にしてください:-)
ちなみに何でこんな面倒くさい事になっているかというと、どうやらAdobe FlashのLinux版のデフォルトフォント? が東風フォントで固定されているからみたいなんですが、詳細はわかりません。IPAフォントがフリーになる前のLinuxでは東風フォントがデフォルトのフォントの座にいたのですがその後、重大なライセンス違反が判明して一時期混乱状態になったと記憶しています。運悪く? その後にAdobe側がLinuxの日本語フォントに興味が無かったのか、何の対策も講じられないまま、今に至っているのかもしれませんね。
一番良いのはAdobe Flashの日本語フォント指定をメンテナンスされていない東風フォントから現在主流のIPAフォント(Takaoフォント)に切り替えてくれる事な気がしますが、あくまで素人の意見なので何が問題があるのかもしれません。次善策としてはディストリビューション側で東風フォントをIPAフォント等のダミーパッケージにするとか。あるいは名前だけ東風フォントで中見はIPAフォントみたいな力技で解決とか。東風フォントVer.2みたいな:-)
最後になりましたが、あくまで素人が適当に考えた解決法ですので、このやり方で何らかの不具合が発生しても当方は責任は持てません。ご自分の判断でお試し下さい:-) Ubuntu 11.10で思う存分、海外ドラマを堪能してみるのも一興かもしれませんね。では。
#Picasa
Huluデフォルト。文字化け中。
Hulu+東風フォント。文字化け修正。
Hulu+TakaoPゴシック。だいぶ綺麗になった
Hulu+MigMixフォント。見やすい:-)
#外部リンク
Hulu - ハリウッドの人気映画やテレビ番組がお手軽に見放題
http://www.hulu.jp/
Hulu Linux(リナックス)をご利用の方
http://www.hulu.jp/support/article/20454542#ans1
Ubuntu日本語フォーラム / Hulu利用時の文字化けについて
https://forums.ubuntulinux.jp/viewtopic.php?id=12017
M+とIPAの合成フォント
http://mix-mplus-ipa.sourceforge.jp/
#追記 2012/04/17
値下げの影響か、最近この記事の閲覧が増えているようです。大変ありがたいのですが、
#追記 2012/04/28
Ubuntu 12.04で試して見ましたが、デフォルトだと、まだ文字化けするみたいですね:-( 残念。